北村西望記念館/西望生誕之家（西望公園）- 北村西望の彫刻、水彩画、書などなど

2018/10/13 19:09

日本彫刻界の巨匠！文化勲章受章者！長崎平和公園の「長崎平和祈念像」の作者で日本を代表する彫刻家・北村西望の記念館

横から見た観世音菩薩（北村西望作）
平成30年（2018年） 8月26日　村内伸弘撮影

激動の時代を生き抜いた彫刻家
北村西望（きたむらせいぼう）
1884 - 1987

北村西望は、明治17年（1884年）12月16日、北村家の四男として旧南有馬村の白木野に生まれました。幼少の頃から図工が好きで個性的で大胆な作品を創り、常に周囲を驚かしていました。

京都市立美術工芸学校（現在の京都市立芸術大学）、東京美術学校（現在の東京芸術大学）を卒業後、建畠大夢・池田勇八・国方林三らと彫刻の研究会「八手会」を結成し、彫刻の道を歩みます。

大正6年（1917年）文展に出品した「光にうたれる悪魔」で知られるようになり、昭和13年（1938年）には国会議事堂内に設置してある「板垣退助翁」像の制作、戦後になって長崎市からの依頼により製作した「平和祈念像」は、西望の代表作のひとつです。

昭和51年（1976年）には、皇居新宮殿に「天馬」を献納するなど、数々の作品を世に送り出しました。

昭和62年（1987年）3月4日没。満102才（享年104才）。

雲仙岳と有明海（島原湾）を望む場所に、日本彫刻界の巨匠・北村西望翁の生誕の地がありました。西望公園です。

西望芸術を理解し、西望翁の思いをいつまでも継承して頂きたいという願いがこの西望公園と北村西望記念館にはこめられているそうです。

それでは見てみましょう～

西望公園入口

作品「無限」

この西望公園は庭（屋外）に彫刻作品が展示されているところが魅力です。

まずは記念館へ

西望記念館（北村西望の生家）

西望公園・記念館

西望生誕之家

作品「今日わ」　うわ～　八王子に建っている「将軍の孫」とソックリ～

八王子に建っている北村西望のブロンズ像「将軍の孫」

館内は撮影禁止だったのですが、北村西望の彫刻、水彩画、書など西望芸術がギッシリと詰まっていてすばらしかったです！天草四郎の像もありました！

作品「平和祈念像」　原形の1/4

長崎平和公園平和祈念像（北村西望作）

平和公園の祈念像のひな型（4分の1型）として制作されたようです

この家で北村西望が生まれたわけです。

有明海が見えます

この風景も西望少年の感性に非常に大きな役割を果たしたと僕は感じました。家の前からこんな景色見えるなんて、どう考えたってスゴイですよね！感性豊かになるわけです　笑

「島原の乱」諸軍の配置図

写真下部の「現在地」が北村西望記念館の位置です。

作品「夢」 - 昭和45年 87歳

これが北村西望の名を決定的にした作品！

作品「光に打たれたる悪魔（光に打たれる悪魔）」 - 大正6年 34歳

作品「飛躍」 - 昭和52年 94歳

作品「父北村陳連（のぶつら）　母サイ」

日本彫刻界の巨匠・北村西望先生は、素封家北村陳連（のぶつら）氏の四男として、明治17年（1884年）12月16日この地に誕生。

宗教心厚く謹厳な父、慈愛あふるる母、そして雄大な美しいこのふるさとの風土と歴史が揺籃となって、西望一代の芸術観・人生観が育まれ、数多くの創作は生き生きとして人々の感動をよびおこし、高潔な人格とともに不滅の輝きを放っている。

昭和33年（1958年）文化勲章を拝受。卒壽を迎えた今日なお矍鑠（かくしゃく）として創作に精魂を傾け、日本芸術院第一部長、社団法人日展名誉会長、社団法人日彫展名誉会長と志て、後進の指導と芸術興隆のため活躍されている。私たち郷土を同じくするものの誇りであり大きな喜びである。不世出の大芸術家・北村西望翁の不朽の事績を永く後世に伝へその偉徳を顕彰するため、先生の御厚意を仰ぎ、ゆかりある多くの方々の熱意と協力をいただき、この生誕の地を記念して公園を開いた。

願くば、こゝを訪れる人びとが翁の魂に觸（ふ）れて喜びとやすらぎを見出し、この偉大な芸術家の精神を継承せられんことを。

昭和50年（1975年）春吉日
南有馬町長　松尾康正

作品「聖観世音菩薩像」
木立の中で光り輝いていた観世音菩薩

神々しいですよね！メチャクチャ神々しかったです！！

聖観世音菩薩像

心の目で見ることを「観（かん）」といいます。色なき色を見、音なき音を聴く、これが「観」です。この観の働きをもって私たちの悩みや苦しみや悶えをお救いくださるのが観音菩薩です。聖観世音菩薩は日本屈指のお美しいお姿の観音様といわれ、薄い衣を召し、その衣の美しい襞の流れの下からおみ足が透けて見える彫刻法は、インドのグプタ王朝の影響を受けたものです。
薬師寺ホームページより引用