世界文化遺産 外海の大野集落(大野教会堂)を訪ねました - ド・ロ壁も必見!
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」
大野教会堂
平成30年(2018年) 7月20日 村内伸弘撮影
▼世界文化遺産の動画
動画制作: 村内伸弘(ムラウチドットコム)
道の駅夕陽が丘そとめから世界遺産の外海(そとめ)の大野集落へ向かいます。
外海の大野集落
神社にひそかにまつった自らの信仰対象を拝むことによって信仰を実践した集落。禁教期、潜伏キリシタンは、氏子となった神社で密かに自らの信仰対象を祀り、オラショを唱え、在来宗教と信仰の場を共有していた。
トリコロール橋(青)
フランス・ヴォスロール村との姉妹都市交流にちなんだ橋で、他に白と赤の橋が近くにあります。
東シナ海の角力灘(すもうなだ)
トリコロール橋(赤)と神浦(こうのうら)地区を流れる神浦川(こうのうらがわ)
静かで穏やかな街並みの神浦
白壁の長崎市立神浦小学校
こういう雰囲気がある小学校に通える児童たちは幸せですね!
でも、どうやら大野教会堂を通り過ぎてしまっていたようですので、来た道を戻ります。
丘の上から見えた神浦港
大野教会堂に向かいます
狭い林道のようなところをしばらく通りました。対向車が来る気配、まったくなし!僕の車しか通りません。
現在地 チェッカーフラッグが大野教会堂です
長崎方面に戻っているので、右手に五島灘(角力灘)が広がります
大野集落に着きました~☆
外海の大野集落駐車場の看板
たぶんほんのちょっと前まで観光客は誰一人こない静かな集落だったんだと思いますが、世界遺産登録で新しい看板や新しい設備が徐々にできている感じです。
これもそんな感じ。新しめの標識が周りの景色となじめずに突っ立っていました 笑
坂道から見た角力灘
写真中央、椅子がさりげなく置いてあります。こんな椅子に座って、海を眺めて暮らすなんて羨ましすぎます。どうして、人生は人によってこうも違うんでしょうか!?
この椅子に毎日座る方と僕とでは住む場所もそうですが、人生そのものが違いすぎます。
この味がある石段を上っていきます。世界遺産の大野教会堂はもう間もなくです!!
というよりも、世界遺産は「外海の大野集落」ですので、この階段も、この木々もある意味世界遺産なのです(^^)
うつくしい木洩れ日!
世界遺産、見えた~!!
大野教会堂です!!小高い丘の上にありました!
この普通な感じがたまらなく素晴らしいです!!世界遺産と言われなければ、誰一人、世界遺産とは気がつきません。
誰もいません。
誰一人いません。
静かです。
世界遺産のはずなのですが、誰一人この場所に人間がいません。。。
ここにいるのは僕だけです。
僕一人だけです。
国指定重要文化財 大野教会堂
まだ「世界遺産」という文字はどこにもありませんでした。
国指定重要文化財 大野教会堂
指定年月日 平成20年6月9日
所在地 長崎市下大野町2619番地
所有者 カトリック長崎大司教区
明治12年(1879年)、外海地区の主任司祭として赴任したフランス人マルク・マリ・ド・ロ神父は、当地における布教と福祉・殖産に多大な貢献をした。大野教会堂は、同神父が明治26年(1893年)に建設した小規模な巡回教会である。
建物は、北側の会堂部と南側の司祭室部からなる。会堂部周りの 3面は当地産の玄武岩割り石を漆喰モルタルで固めた特異な壁体(地元では神父に因んで「ド・ロ壁」と呼ぶ)を築き、その上に洋式のキングポスト(真束)をもつ木造小屋組を架ける。側面の窓は上部を半円アーチ形の煉瓦造とする。堂内は列柱のない一室構成で、現在の和風の棹縁天井と板張りの床は後補とみられる。上記のド・ロ壁や洋式小屋組のほか、通り抜けにした前廊部とそれを覆う変則的な寄棟屋根、軒下に出る梁の先端に施した彫り込み装飾など、ド・ロ神父の建築技法が随所にみられ、また地域の風土に密着した造形を示す。
長崎市(平成21年3月設置)
この右側のゆるやかな坂道を僕は汗を掻き掻き登ってきたのです。
ド・ロ壁(玄武岩割り石を漆喰モルタルで固めた壁)
うわーっ!味わいがあります!!
最高の旅情です!
1879年、外海地区に着任したド・ロ神父は、26戸の信者と力を合わせ、1893年に大野教会を完成させた。民家を思わせるような教会で、現地の石を積み上げた外壁(※)は、独特の風合いを醸し出している。ド・ロ神父の建築技法が典型的に表れている教会として、2008年に国の重要文化財に指定された。
※ド・ロ神父考案の「ド・ロ壁」
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンターより引用
泥(どろ)で出来ているという意味ではなく、ド・ロ神父が信徒たちと力を合わせてつくった壁なので「ド・ロ壁」と呼ばれているんです。
芸術的なド・ロ壁
うつくしいド・ロ壁
力強いド・ロ壁
不規則だからこそアートしているド・ロ壁
十字架が屋根についていました
純白のマリア像。マリア様もいらっしゃいました
教会の入口から出て、帰宅しようとすると真っ正面にマリア様がいらっしゃるという立ち位置のようです。
大野教会百周年記念碑 1993年9月5日 出津教会信徒一同
ド・ロ壁、見れば見るほど味わいが楽しめます。石造りなので力強さも感じます。そして、その力強さはド・ロ神父と信徒たちの信仰の力強さを現わしているのです!!
ド・ロ神父と信徒(キリシタン)たちの手作りというのが本当にすばらしいです!!ド・ロさまは私財を投じたそうです。
ソテツ(だと思います)
春日八郎の「長崎の女(ひと)」ですね。
恋の涙か ソテツの花が 風にこぼれる 石畳♪♪
裏側から見た大野教会堂
なんだか素朴で小さくって、教会のようにはぜんぜん見えません。
でも、そこに信仰があれば、どんな場所でも建物でもそれは教会なのです。
世界遺産の建物を前にしてこんなこと言うのも変ですが、建物じゃなくって、大切なのは信仰なんだと思います。祈りなんだと思います。
和瓦ぶきの平屋です。但し、ド・ロ神父は建築に際し西洋の技法を応用したので独特の洋式になったそうです。
山側のこの部分はド・ロ壁にはなっていませんでした。
山側の石垣
僕以外誰もいないっていうのがいいですね。この建物を独り占めしているような感覚です。
どうですか!?こういう教会こそが、本当の教会なんだと思います。神父と信徒が力を合わせて作り上げた建物。吉田松陰と門下生たちが手作りで作り上げたあの粗末な松下村塾を僕は思い起こしました。
立派な建物を教会というのではありません、人間の思いこそが教会なのです!!
美しい美しい大野教会堂
来て良かった!来て本当に良かった!!
この建物の後にあるストーリーを知れば知るほど、この教会が世界遺産になった理由が分かります。そして、この建物の真の値打ちが分かってきます。
駐車場への帰り道。石段に映っていた葉っぱの陰。
僕は今、ド・ロ神父の足跡を巡っています。
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動画制作: 村内伸弘(ムラウチドットコム)
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