奈良聖林寺 十一面観音立像はミロのヴィーナスと並ぶ仏像彫刻の傑作!天平彫刻の傑作!
木の実降り 鵯(ひよどり)鳴き 天平観世音 水原秋桜子。ここ聖林寺は安らぎと思索の空間♪♪
聖林寺(しょうりんじ) 十一面観音立像の写真
国宝 十一面観音菩薩
木心乾漆像、天平時代の作
760年代に東大寺の造仏所で造られ、その願主は智努王(天武天皇の孫)とする説が有力です。かつては四天王に守られ、前立観音の他、左右に多くの仏像が並び立ち、背面には薬師如来一万体が描かれた板絵がある荘厳の中にまつられてきました。宝相華唐草の光背(奈良国立博物館に寄託中)は、長い年月により大破していますが、華やかで見事なものであったと想像されます。均整のとれた仏身、豊満な顔立ち、量感のある上半身、優婉な纏衣の美しさ、微妙な変化をみせる指先等、ミロのヴィーナスとも比較される仏像彫刻の優作です。
聖林寺 パンフレットより引用
聖林寺 十一面観音立像
西陣織写し観音 再現
西陣織で制作した十一面観音立像
子安延命地蔵
子安延命地蔵菩薩
本尊は、江戸中期に造られた丈六の大石仏。安産・子授けの祈願として有名です。左右の掌善・掌悪童子とともに地蔵三尊の形式をとっています。
聖林寺 パンフレットより引用
聖林寺のサルスベリ
聖林寺前に広がる田園風景
桜井駅から聖林寺までの地図
聖林寺地図
令和5年(2023年)8月11日 村内伸弘撮影
土門拳が神の威厳を感じ、和辻哲郎が神々しい威厳と人間のものならぬ美しさを感じたという仏像に会いにいきます。
当初は予定に入れていなかったんですが、宿泊した桜井駅から近いことを知り、せっかくなのでコースに入れました。大正解でした!大大大正解でした!!!!
それでは僕がこの聖林寺の国宝 十一面観音菩薩さまを拝み、感動する様子をどうぞご覧ください♪♪
天平彫刻の傑作「国宝・十一面観音立像」
桜井駅南口から 5つ目のバス停です
バス停にも聖林寺という案内がありました
このバス停で聖林寺に向かうバスを待ちます
聖林寺方面に向かう談山神社行きのバスがやってきました
桜井市のコミュニティバスみたいです
出発時刻になったんですが、あと 5分でもう一人乗客が来るからという謎の理由で出発がすこし遅れました(笑)
さすが奈良!バイクに乗ったお坊さんとかが通ります
多武峰(多武峯/とうのみね)街道をバスは進みます
バス停近くにあった聖林寺 地蔵会式の貼り紙
聖林寺バス停近くの風景
聖林寺バス停
国宝 十一面観音 聖林寺という看板
安部嶋山の中腹、写真中央奥が聖林寺です
のどかな風景が広がっています
まだ 9時前なので、お寺が開くまでこの辺りをブラブラしてみましょう
こういう風景がまだまだ日本には残っている。東京のコンクリートジャングルで暮らしていると、この風景を忘れてしまう。こうやって、この風景の真ん中に立つと、自分が人間だということを思い出す
うおーっ!すばらしい光景!!
空が光ってます!!!!雲が光ってます!!!!
稲はまぶしいばかりのグリーンです!!
田んぼの水が鏡となって雲や太陽を映しています!
田螺(たにし)たちももちろん元気です(^^)/
もうそろそろ朝9時になります
聖林寺へ向かいます
創建 和銅5年/712年ってすんごい昔ですよね!!奈良は最古にグレートです!
712年なんて、八王子は何もなかったと思います 笑
咲き誇る凌霄花(ノウゼンカズラ)
萩原義一翁 頌徳碑
名も知れぬ義人の功績を讃える石碑群。熊野古道を歩いた時も、寝食を忘れ誠意を込めて熱心に郷(さと)のためにがんばった河野藏人翁という人の彰徳碑がぽつんと建っていました。名もなき義人と出会るのは旅の醍醐味です
聖林寺の苔むす古い石垣
石垣の上と下で咲くサルスベリ
聖林寺(しょうりんじ)
京都や奈良のように至便ではないことが幸いして、ここは観光客の喧騒には無縁である。緑なす木々に風わたる山の小寺は訪れる人に安らぎと思索の空間を保証している。
聖林寺ホームページの住職の言葉
聖林寺の前の道はへんろみち(遍路道)のようです
山門に続く石段脇に蓮の花が咲いていました
聖林寺山門
聖林寺の扁額(へんがく)
参詣の皆様へ 山門から盆地の東南部が一望のもとに見渡せます
門前脇に建つ大界外相(律院の結界を示す)の碑
わー!サルスベリが色鮮やか~☆
サルスベリ大好き人間の僕にはたまりません!!!!
聖林寺の案内板
聖林寺 / Shourinji Temple
真言宗の寺院。奈良時代、和銅5年(712年)に藤原鎌足の菩提を祀るために、長子である定慧により創建された。長い歴史の間に幾度か火災に遭い、現在の建物は江戸時代中期(18世紀)に再建されたもの。
今日、この寺には数多くの仏像が祀られており、そのうちの一つ十一面観音像は奈良時代に創られ、国宝に指定されている。また宝物も多数伝えられている。
小倉山に位置する聖林寺からは、日本の文明発祥の地であり、仏教発祥の起源ともなった大和の素晴らしい眺めを見わたすことができる。邪馬台国の女王卑弥呼の墓といわれる箸墓、さらにその東側には、日本最古の神社、大神神社のご神体である三輪山を眺望する。
山門近くからの眺め。聖林寺は大和盆地の古墳群、山辺の道、三輪山を一望で見渡すことができる絶景スポットでもありました!
サルスベリの樹形が見事!
幹物(みきもの)と呼ばれ、幹を愛でることができるサルスベリならではの風景
明るいピンクの花びらが実にすばらしー!!!!
決して広くない境内ですが、住職が書いているように、緑なす木々に風わたる山の小寺は訪れた僕に安らぎと思索の空間を保証してくれています
多武峯街道キーワード「聖林寺」 大和の古道紀行
木の実降り 鵯(ひよどり)鳴き 天平観世音 水原秋桜子
慈愛に満ちたお顔立ち、天衣の流れるような美しさ、リズミカルな衣文。あたかも花びらの開くような微妙な変化を見せる指先など、拝む人を魅了してやみません。
まだ開いてませんでしたが境内にカフェがあるようです
聖林寺のパンフレット
十一面観音さまの流麗な指先
国宝と重文のオンパレード!やっぱり奈良最強、ですね!
聖林寺 十一面観音菩薩像(国宝)
これから拝みます
室生寺 十一面観音菩薩像(国宝)
この後、午後拝みます
貼ってあったポスター
明治時代にフェノロサや岡倉天心たちに開扉されて、美しい姿を現した観音様。聖林寺の壁にたくさんいろんなポスターが貼ってあります。実物は絶対撮影禁止なので、ポスターを撮っていきます。土門拳とずいぶん違う、、、トホホ
威厳ある美しさを感じます!!
頭の上の顔の数々にもご注目~ 苦しんでいる人、悩んでいる人をすぐ見つけるため十一の顔があるのです、観音さまはすべての方向を見守ってくださっているのです
いよいよ観音さまとご対面です!
この階段の上の観音堂(大悲殿)に聖林寺の十一面観音さまはいらっしゃいます
観音堂は誰もいませんでした
十一面観音さまは神々しく、威厳に満ちたお姿で屹立していらっしゃいました。体のバランスが絶妙でした。指先や衣の曲線が美しく、とってもやわらかでした。立体的でなめらかで、とんでもない美しさでした。
普通前面しか拝めない仏像が多いのですが、この観音さまは 360度どこからでも拝めるのも超グッド!僕は、3分置きぐらいでちょっとづつ移動し、いろんな高さや角度から観音さまを拝みました。
開門から 1時間ぐらいズッと見ていました
誰も来ませんでした
誰一人入って来ませんでした
僕と観音さまと 2人だけの空間と時間が続きました!
劇的です!!!!!!!!
この感激を味わうために奈良までやってきたのです!!!!!!
まさに国宝独り占め!観音さま独り占めです!!
実に実に不思議な瞬間でした!!!!
見方を変えると、観音さまは僕村内のぶひろ一人を観てくださっていたということです。観音さまに僕は独り占めされました(^^)/
僕は救われたんだと思います
国宝 十一面観音菩薩立像
Statue of Eleven-Headed Kannon
慈悲の菩薩である十一面観音像。頭上にある十の顔と本体の顔を合わせて十一面と数える。頂上にあるのは如来形である。像高 209cmの堂々たる存在感で、木心乾漆造りとし、檜材の上に漆を塗り、金箔で仕上げている。
奈良時代に創られたこの像は、日本におけるきわめて精緻な十一面観音の一つであり、その穏やかな表情、精巧な衣や指先は特筆される。アメリカの美術史家で哲学者でもあったアーネスト・フェノロサ(1853-1908年)は、本像をギリシャ彫刻「ミロのヴィーナス」などの西洋美術の傑作と並び評している。
もとは大神神社の神宮寺である大御輪寺にあったが、明治政府が寺院と神社との分離を命じたため(神仏分離令)、廃仏毀釈を免れるべく、慶應4年(1868年)5月16日に聖林寺に移された。明治30年(1897年)、旧国宝制度のもと国宝に指定され、昭和26年(1951年)に新制度に移管された際には、第1回の国宝に指定されている。
観音堂内 案内板より引用
本堂から見た眺め
本堂には子安延命地蔵菩薩さまと並んで、西陣織の十一面観音菩薩さまがいらっしゃいました
西陣織写し観音 再現
西陣織で制作した十一面観音立像
文化財保護法による国宝指定書
解説用ディスプレイに写っていた観音堂(写真左上)
この観音堂に観音さまは安置されています
子育延命地蔵
この石でできたお地蔵さんもユーモラスで憎めなくって、地域の人々から愛されているんだろうな~と思いました
巡る奈良 祈りの回廊 原点を知るたび、私が深まる旅。
参拝記念、お土産で買った写真
うつくしい水田をバックに観音様をパチリ♪♪
この観音さまが、これからもずっと人々を救ってくださることを願いながら、聖林寺を後にします
バスが来るまで時間があるので、バス停近くを散策します
今日は海の日。日の丸をなびかせた桜井駅行きのバスがやってきました
バスに乗り、来た道を帰ります
桜井駅に戻りました。
この後は、"写真の鬼" "撮影の亡者" 土門拳が愛した室生寺(むろうじ)へと向かいます
▼今回の奈良旅行
・奈良観仏 "写真の鬼" 土門拳撮影の仏像たちに会いに古都奈良へ
・飛鳥仏の古典的微笑/アルカイックスマイルに興奮!中宮寺 菩薩半跏像は世界三大微笑像!
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・天理教神殿の聖地「ぢば」参拝。天理市は日本最大最高の宗教都市
・甲子園の強豪校・天理高校、天理本通り商店街など天理の街を歩く
・奈良聖林寺 十一面観音立像はミロのヴィーナスと並ぶ仏像彫刻の傑作!天平彫刻の傑作!
・奈良大野寺磨崖仏(巨大弥勒像)と満開のサルスベリに魅了される
・土門拳が魂奪われた室生寺 十一面官能菩薩立像。"色っぽい"平安時代作の国宝仏像を観た
・女人高野室生寺 鎧坂見上げ、金堂、弥勒堂、本堂/灌頂堂、五重塔見上げ。土門拳と同じ写真を撮影!
・室生寺奥之院 御影堂。室生寺は山岳寺院、思い知らされましたw
▼次回 2023年11月の奈良旅行
・秋季特別開扉 夢殿秘仏 救世観音さまに会いに。近鉄に乗り奈良県斑鳩の法隆寺へ
・城下町 大和郡山散策。近鉄郡山駅から JR郡山駅へ徒歩で小旅行
・秘仏 国宝 救世観音さまと法隆寺/斑鳩寺。古拙の微笑輝く聖徳太子のお寺
・聖徳太子(厩戸皇子)の現し身!"聖徳太子等身観世音" 救世観音さまと法隆寺夢殿
・斑鳩の風景 法起寺の夕日と三重塔。斑鳩の里に夕日が沈む
・聖徳太子は生きていた!現れた!夕闇に沈んだ法隆寺夢殿で僕は太子の気配を、感じた、、、
・おぢば帰り!夜の天理教神殿へ。親里(おやさと)へ。
・天理教の朝づとめ。ひのきしん/日の寄進の神髄を見てしまった!
・天理教教祖誕生殿(中山みきさま=おやさま生家)、教祖お墓地(豊田山墓地)を巡る
・やさしい心になりなされや。天理教記念建物、天理教基礎講座、天理図書館、天理本通り。また おぢばへ お帰り下さい
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