"撮影の亡者"土門拳「寺と仏像手帳」で生涯の一仏に出会う。中宮寺菩薩像50円切手と出会う。
"写真の鬼"日本の心を捉えた昭和を代表する写真家の写真と文章。令和5年 僕・村内伸弘の夏の一冊♪♪
土門拳 「寺と仏像手帳」
帯 室生寺鐙坂 金堂見上げ
令和5年(2023年)7月2日 JR八王子駅前くまざわ書店本店で購入
生涯の一仏、一寺に出会う
帯 室生寺 釈迦如来坐像面相
昭和51年/1976年の 50円切手 中宮寺菩薩像(緑)
土門拳「寺と仏像手帳」に貼り付けた中宮寺菩薩像の切手
僕が好きな写真家、土門拳。
土門 拳(どもん けん)
写真家。1909年、山形県酒田市生まれ。
戦後日本を代表する写真家。徹底したリアリズムを追求した報道写真と、日本の伝統文化に対する作品で世界的な評価を得る。とくに仏像の写真については、独自の撮影方法を考案し、二度病に倒れ車椅子に依りながらも、圧倒的な完成度の作品群を発表した。写真界では屈指の文章家としても知られる。作品集に 『風貌』 、『ヒロシマ』、 『筑豊のこどもたち』、 『古寺巡礼 全五集』、 『女人高野室生寺』、 『東大寺』、 『土門拳の古寺巡礼 全7巻』、 『土門拳全集 全13巻』ほか多数がある。土門拳賞、酒田市土門拳文化賞、酒田市に土門拳記念館がある。1990年逝去。
本書より
土門 拳/どもん けん(1909~1990)
土門拳は昭和を代表する写真家である。
徹底したリアリズムにこだわった報道写真や、寺院仏像など日本の伝統文化を独特の視点で切り取った作品を発表。
激動の昭和にあって、そのレンズは真実の底まで暴くように、時代の瞬間を、日本人の現実を、そこに流れる日本の心を捉えた。「絶対非演出の絶対スナップ」など独自のリアリズム論を提唱し、戦後写真界をリード。また、写真界屈指の名文家としても知られる。
土門拳記念館ホームページより引用
・生涯の一仏、一寺に出会う
・仏像と寺に生命をかけて対峙した写真家の魂とともに
7月23日
令和5年夏の一冊を読みました
そして出会いました。生涯の一仏と
奈良県斑鳩町 中宮寺(ちゅうぐうじ)の観音菩薩半跏思惟像(国宝)です
最後に触れますが、ちょうど昭和51年の消印がついたこの菩薩の切手にも出会っていたので運命でしょう
そして、もう一つの仏は奈良県宇陀市室生 室生寺(むろうじ)の十一面観音菩薩立像(国宝)です
取り憑かれたような土門拳の写真と文章に導かれ、この夏、古都奈良を訪ねたいと強く思いました。これがまさに生涯の一仏との出会いなのかもしれません!
無我夢中で仏像に向き合い、その魂や精神を写しとっていく"撮影の亡者" 土門拳の粘りにただただ圧倒されます。被写体となった仏像たちも仏像たちで、昭和日本を代表する写真家を、その荘厳さや清らかさで瞬く間に狂喜させます
くまざわ書店で
素晴らしい一冊に出会えました!
土門拳が全身全霊を傾けて残した
素晴らしい一枚に出会えました!
飛鳥時代彫刻最高傑作の
素晴らしい一仏に出会えました!!
この夏、時間があったら中宮寺の観音菩薩半跏思惟像に会いに行ってきます。"女人高野" 室生寺(むろうじ)も一緒に訪ねてみます
下記は僕が感銘を受けた土門拳の言葉です
映画撮影の場に自由に参加させて貰い、撮影班が弥勒半跏像を写すためにライトを当てて撮影する合間を縫って、ぼくもまた、弥勒半跏像を写した。スチール撮影といっても、きわめて自由な立場で、好きなように写すという、気儘なやり方である。
本書「京都市 広隆寺」より
嵯峨野の石仏の写真は、そのように自然にカメラを向けたものがほとんどである。たまたま行ったときに、たまたま出会った石仏の表情を撮る。石仏たちは雨にうたれてしょぼくれていたり、時には桜に囲まれて華やいでいた。
本書「京都市 嵯峨野石仏群」より
高田好胤師(たかだ こういん)
薬師寺の高田好胤さんは、ぼくのことを「撮影の亡者」と云った。亡者とは、魂魄が冥途にさまよったまま成仏しないことだから、けだし撮影におけるぼくの往生際の悪さを詳して余りあるというものであろう。(中略)
薬師寺とかぎらず、どこの寺でも、まったく恥かしいほど何度も何度も行った。いつも、朝から夕方まで、閉門時間もとっくに過ぎて、人っ子ひとりいない境内に真暗になるまでねばった。それで撮影完了して、その旨を挨拶して帰った男が、翌朝また現われるのである。実は宿屋へ帰って風呂につかっていると、その日撮影したもののうちで、どうしても不満なものが思い浮ぶのである。それで翌朝また行くのである。東京へ帰って、現像した結果が思わしくないときもある。それでまた行くのである。
「またきたか」と、ぼくの顔を見て、露骨にいやな顔をする坊さんもいる。失敗したから撮り直しさせてくれと頼むと、専門家にあるまじきことだ、と怒る坊さんもいる。しかし「もうそろそろ現われるころだと思っていましたよ」と、喜んで迎えてくれる坊さんもいる。寺さまざま、人さまざまである。
本書「奈良市 薬師寺」より
まさに撮影の亡者!粘りに粘るこの姿勢、こだわりにこだわるこの姿勢、古今東西の偉人たちに共通する特質です。仏を写したこの写真家に対する「撮影の亡者」という呼び名は最大限の尊称だと僕は思います!!
PS
この夏、僕は運命的に観音菩薩半跏思惟像(国宝)の切手に出会っていたのです
昭和51年/1976年頃、八王子青年会議所時代の父親の名刺
上の名刺との違い。常務取締役から取締役社長になってます 笑
父親が八王子青年会議所をやっていた頃の資料がたまたまあって、ちょうどその中に「中宮寺菩薩像」の切手があったんです。せっかくなので糊を剥がして、土門拳の本に貼りました
昭和51年/1976年の 50円切手 中宮寺菩薩像(緑)
八王子 昭和51年11月20日の消印です
水に浸けます
47年前の切手ですが、水に濡らしたら簡単に剥がれました
濡れた切手を乾かして、この本に貼り付けます
乾いたので、糊でくっつけます
土門拳の本「寺と仏像手帳」に中宮寺菩薩像が舞い降ります!!
バッチリ!うまく貼れました~!
国宝の菩薩(如意輪観音菩薩)が見事、土門拳の名著と合体しました!!
土門拳の「寺と仏像手帳」
ぜひぜひ、あなたも買って読んでみてください
この本は読んで終わりではなく、折に触れて見返したり、そして何よりもここで出会った仏に会いに行ったり、寺を訪れたりすることに意義があると思います!!
ちなみにこんな手作りチラシも父親の青年会議所の資料の中に入ってました
"ユーミンのチャリティ公演" さよなら独身時代 荒井由実コンサート
昭和51年10月20日(水)八王子市民会館 主催: 阿部義弘事務所 後援: 八王子青年会議所
(おまけ)
自宅の机の横にいらっしゃるマリアさま
長崎県黒島の黒島天主堂で頂いた無原罪のマリアの金色のメダイ(不思議のメダイ)
長崎県黒島の黒島天主堂で頂いた無原罪のマリアの銀色のメダイ(不思議のメダイ)
京都のコンビニでトイレを借りたお礼に買った本田宗一郎の本の帯
前を向いて生きる!
人生が開ける!
「迷うな!やりたいことをやれ!」本田宗一郎
▼追記
令和5年8月10日、奈良 中宮寺 菩薩半跏像
翌8月11日、奈良 聖林寺 十一面観音立像、大野寺 磨崖石仏、室生寺 十一面観音菩薩立像
拝んできました!
この土門拳の本を持っていって、室生寺のスタンプを押しました 笑
女人高野 宀一山室生寺(べんいちさん むろうじ)のスタンプ
▼今回の奈良旅行
・奈良観仏 "写真の鬼" 土門拳撮影の仏像たちに会いに古都奈良へ
・飛鳥仏の古典的微笑/アルカイックスマイルに興奮!中宮寺 菩薩半跏像は世界三大微笑像!
・斑鳩の風景 法輪寺&法起寺の三重塔。のどかな田舎道や田んぼのあぜ道を歩く
・天理教神殿の聖地「ぢば」参拝。天理市は日本最大最高の宗教都市
・甲子園の強豪校・天理高校、天理本通り商店街など天理の街を歩く
・奈良聖林寺 十一面観音立像はミロのヴィーナスと並ぶ仏像彫刻の傑作!天平彫刻の傑作!
・奈良大野寺磨崖仏(巨大弥勒像)と満開のサルスベリに魅了される
・土門拳が魂奪われた室生寺 十一面官能菩薩立像。"色っぽい"平安時代作の国宝仏像を観た
・女人高野室生寺 鎧坂見上げ、金堂、弥勒堂、本堂/灌頂堂、五重塔見上げ。土門拳と同じ写真を撮影!
・室生寺奥之院 御影堂。室生寺は山岳寺院、思い知らされましたw
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