京都・吉水草庵(安養寺) 法然上人と親鸞聖人の出会いの寺=親鸞聖人御入信の地
吉水草庵は吉水上人(法然)が専修念仏の教えを弘めるために住まわれた草庵で、綽空(親鸞)が「選択本願念仏集」の書写を許された歴史的な場所です。"念仏の根本道場"であったその草庵跡が安養寺です
吉水草庵(よしみずそうあん 安養寺/あんようじ)
令和2年(2020年) 11月7日 村内伸弘撮影
大谷祖廟(親鸞聖人のご廟所)から出て、今度は法然と親鸞の出会った吉水草庵(吉水禅坊)に向って歩いていきます。
大谷祖廟北門から出たところ
人力車が京都の風情に彩りを添えていました!
京都円山の老舗料亭、東観荘の前
円山公園を左に見ながら歩いていきます
京都円山の老舗料亭、左阿彌(さあみ。安養寺の旧六坊の一つ)の前を通過
吉水弁財天堂(安養寺の飛び地境内)
東山吉水の安養寺(あんようじ)に到着しました!!
安養寺(吉水): 親鸞聖人はここ吉水の地にかよわれ、師・法然上人の教えをお聞きになられた。
東本願寺 「親鸞聖人のご生涯」展より
大聖歓喜天尊 聖天堂
安養寺(あんようじ)
法然、親鸞 両上人御旧跡吉水草庵 慈園山 安養寺
吉水草庵の上側の文字がかすれて薄くなってしまっていますが、とんでもないことが書かれていますので、僕がブログで読みやすくしてみなさんに伝えます!
・法然上人 念仏宣揚の地(30数年間止住)
・親鸞聖人 御入信の地
この 2つ!
日本の仏教史とか精神史にとって、ものすごく重要なできごとです!!
2人の巨人、法然と親鸞の人生がここ京都吉水で交錯し、合体したのです!!!!
親鸞聖人は京都・六角堂の観世音菩薩の夢のお告げに従って、法然上人が庵を結んでいたここ吉水を訪ね、法然上人の浄土真実の教えに出遭い、入信したのです。29歳~35歳の人生にとって決定的な時期に親鸞聖人はここに住まい、南無阿弥陀仏について考え抜いたのです。
日本の浄土思想はここ吉水で花開いたのです!!
安養寺の縁起
安養寺の境内図
安養寺のご本堂にお参りします
吉水草庵 安養寺縁起
吉水草庵 安養寺略縁起
安養寺は延暦年間、桓武天皇が平安京に遷都された時、都鎮めの寺として、伝教大師が創建されました。比叡山延暦寺と同時代に建てられたお寺です。また有名な法然上人の吉水草庵の旧跡でもあります。門前に「真葛原吉水庵室」と書かれた古い碑柱が建っておりますが、現在円山公園になっている一帯を昔は「真葛原」と呼んでおり、安養寺はその東北の隅に位置しております。
人皇八十代高倉天皇の承安4年(1174年)法然上人 43歳の時に、叡山黒谷の師の坊、叡空上人の膝下で御勉強なさっておられましたが、それまでに繰り返し読まれておりました 8万4千の法門の中より、善導大師の観経の疏を披見され「一心専念弥陀名号・行住座臥不問時節久近・念々不捨者是名正定之業・順彼仏願故」の文を発見されたのでした。
それは、"常にお名号を称えて、南無阿弥陀仏のお名号を離れないのが、仏道修業者の勤めである。是れは弥陀の本願に叶う道だから"と言う意味です。
当時叡山は南部と共に仏教の学問所でありまして、諸大徳、学者が雲集しておりましたが、その中でも法然上人は智慧第一と言われ勢至菩薩の再来とも目された方でした。13歳の時比叡山に登られた法然上人は、15歳で出家受戒され、3年間皇円阿闍梨について天台を学ばれましたが、飽き足らず。西塔黒谷の叡空上人の門に入られ、一切経を 5度もくりかえし読まれたのですが、魂の救済はもとめられませんでした。またその間南都の仏教も学んでおられます。
かくして 20数年間懊悩の日を過ごされた上人は、懸命に求道されましたが、「観経疏」を読まれて、はじめて信念が固まりました。上人は、南都の古宗、真言、天台と言った聖道門を捨て、経典や自力の修業を捨てて、南無阿弥陀仏の念仏ひとすじに生きる浄土門を「選択」なさいました。難解な経典を学び、肉体的にも苦しい修業に耐えてはじめて救済が得られると言うエリートの仏教を貴族も武家も無知な庶民も差別することのない、国民大衆のものになさったのです。
大無量寿経の中に、阿弥陀仏がまだ修業中、法蔵菩薩と名乗っておられた時にたてた 48の誓願があげられております。その第18番目に「たとえ、われ仏を得たらんに、十万の衆生、至心に信楽して、わが国に生まれんと欲して、乃至十念せんに、もし生まれずんば、正覚を取らじ」とあります。「お念仏をする人を西方浄土に迎えよう。もし実行できないならば仏にならない」と誓っておられるのです。そしてすでに成仏なさっておられる。つまり念仏往生は十劫の昔に決定しているのです。私達はただあるがままに念仏さえ称えておれば、おのずから浄土にゆけると説かれたのが法然上人の専修念仏です。南無阿弥陀仏は、阿弥陀仏の願いに対する応答です。南無阿弥陀仏において、われわれは自分を発見し、無限の大慈悲を感ずるのです。
専修念仏の道に入られた法然上人は叡山を下り最初は西山広谷に住われましたが、やがて東山吉水に移り念仏を宣揚なさいました。かくして 43才より、75才(承元元年/1207年)住蓮・安楽の騒ぎで、讃岐の国に流罪になられるまで、吉水を本拠として布教伝導なさいました。
法然上人の門下には、関白九条兼実公、武家では熊谷直実、僧侶では、それぞれ浄土宗の一派をあみ出した高僧たち、それに阿波介という盗賊もいれば、遊女、白拍子もあつまり、吉水の禅坊は漸次発展して、中・西・東と三坊に拡張されましたが、親鸞聖人も建仁元年(1201年) 29才の時に六角堂の観世音の夢のお告げに従って吉水に参入念仏門に投ぜられたのでした。
吉水禅坊は法然上人が流罪の後念仏停止となり、慈鎮和尚が経営なされ、慈円山乗院安養寺と号されました。慈円は慈鎮和尚の名から取り、大乗は院号、安養寺は、慈鎮和尚の有名な歌「おほけなく 憂き世の民に おほうかな 我が立つ杣に 黒染の袖」の意味を含み、世の中に感謝し、民衆の恩で喜んで暮らす気持が顕れております。徳川時代には慈円山は「円山」と称され、寺坊六ヶ寺と本坊を構えた堂々たる一山寺でありましたが、明治になり、坊舎は「円山」の名と共に公園地に没収され、今は本坊、弁天社、雨宝堂を残すのみとなっています。六坊の一つ左阿弥は料亭となり現存しています。慈鎮和尚は安養寺を経営するに当たり、弁天尊を寺の鎮守として勧請されました。弁財天は印度以来の寺院の守護神です。吉水弁財天と呼びますが、吉水は元来土地の名で、境内地から霊泉が湧きよい水だから、このあたりを吉水と称しました。堂の前に慈鎮和尚阿伽の水、円光大師伝法の地の碑柱があります。この水を青蓮院で灌頂法会が行われる時、道中に高張提灯を建て汲みに来ておりました。また維新前には、知恩院や東大谷からも正月の仏前の初水として年々汲みに来られました。足利時代になって、至徳年間(1384年~1387年)時宗の国阿上人が当方面を遊化され、住職の懇願により以来縁あって念仏門時宗(一遍上人開宗)の寺となっています。
安養寺の境内の様子
南無阿弥陀仏の石碑
誰もいません。僕だけしかいません。
とても静かです。
一人境内に佇むと、法然上人や親鸞聖人の声が聞こえてくるようです
安養寺境内から見えた京都市街
安養寺 本堂
続いて飛び地境内の吉水弁財天堂にお参りします
吉水弁財天の中にある吉水井。霊泉が湧きよい水だから、吉水(よしみず)と称したようで、この井戸がこの辺りの地名の元になっているようです
吉水の井(吉水井)
すぐ近くの円山公園に入ります
京都の風情溢れる光景です!
銅閣寺(どうかくじ)の祇園閣
昭和3年(1928年)に建築された 3階建ての建物
銅板葺きの屋根がステキです!
ですが、金閣寺、銀閣寺との決定的な知名度の差。この銅閣寺って誰も知らない? 笑
僕は知っているので、ブログでご紹介~い
人力車。銅閣寺をバックに
紅葉に包まれる銅閣寺(どうかくじ)の祇園閣
御陵衛士屯所跡
夢珈琲(ゆめこおひい)
東山はオシャレなカフェも多いですね♪♪
親鸞聖人と法然上人との出会い
東本願寺「親鸞聖人のご生涯展」より
親鸞、比叡山をおりる(29歳)
親鸞、六角堂参籠(29歳)
親鸞、法然上人の門に入る(29歳)
「親鸞聖人はついに、専修念仏の教えこそすべての人に開かれている仏道であるとうなずかれ、法然上人を生涯の師と仰ぎ、念仏もうす身となられました。聖人は、法然上人とのであいを通して、すべての人を念仏一つで救いたいという阿弥陀仏の願いをよりどころとし、念仏者として歩み出されたのです。」
吉水時代(29歳~35歳)
「ここに親鸞聖人は、法然上人の弟子として、その教えを伝えていくことを使命とされたのです。」
▼今回の京都旅行
京へ。教えに出遇うため京都・東本願寺(お東さん)にお参りに行きます
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