法然上人伝 「法然」貧しく劣った人びとと共に生きた僧 平雅行
浄土宗の開祖・法然(源空)の歩みと教えに学ぶ書籍 - 日本史リブレット 人 28
「法然」貧しく劣った人びとと共に生きた僧 日本史リブレット 人 28 著者:平雅行 出版:山川出版社
貧しい人、愚かな者、劣った人・・・・・・、社会から見捨てられがちな人々への共感が、法然を独創的な思想家へと成長させた。人間の平等を説き、その能力差を否定して、人びとと共に生きる道を探った法然。その歩みと教えは、今のような時代にこそ、振り返って読みとかれる必要があるはずだ。
平 雅行
親鸞聖人の本や正信偈の本を読んでいて、どうしても親鸞聖人の師である法然上人(ほうねんしょうにん/源空)のことを知りたくなってしまいました。
親鸞聖人はそもそも浄土真宗を開く気がなかったそうで、この法然上人の教えを最上のものとして仰いでいたそうです。
そこでこの法然本を買って、法然の歩みと教えを学んでみました。
貧しく劣った人びとと共に生きた僧!
このタイトルの一部の形容詞に僕はイチコロでした。
貧しく劣った人びとと共に生きる!
すばらしいですね!!
この本の中には法然が提唱した専修念仏(せんじゅねんぶつ)の教えや選択本願念仏説(浄土宗:せんちゃくほんがんねんぶつせつ / 浄土真宗:せんじゃくほんがんねんぶつせつ)、「もとのままの念仏」などが時代背景や平さんの解説付で説明されています。
歴史の教科書で有名な山川出版社の書籍なので、教科書チックで歴史よりの視点が多いのがイマイチなんですが宗教的な視点や思想的な視点も要所要所で入っているので満足です!
念仏が行であると同時に、信心の表明であるという二重性の話(=法然の立ち位置)は壮絶でしたし、この世のすべての人びとが平等に愚者であり、平等に「劣根」であるという平等性の話も強烈でした!「知の仏教」、「行の仏教」から「信の仏教」へのコペルニクス的転回も実にドラマチックで感動的でしたから!!
偏依善導一師(ひとえに善導一師による)
偏依善導(へんねぜんどう)といって、法然は "七高僧の第五祖"である善導大師を慕い、「自分の考えはすべて善導の教えそのものだ」と述懐していたそうです。
そして、流罪になった時は「私は首を刎ねられても、この(念仏の)教えを説き続けるつもりだ」と断言したそうです。
貧しく劣った人びとに共感する法然のやさしさと強さがこの本を読んでとてもよくわかりました。
法然。
貧しく劣った人びとと共に生きた僧。
鎌倉時代、ニッポンにはこんなにも偉大な僧がいたのです。
この世のすべての人びとへの慈悲
僕も法然上人のようなあたたかな眼差しを持てるように更に人間性を磨きます!
▼善導の本願念仏説
称名は阿弥陀仏の第十八願(本願)に合致しているので、南無阿弥陀仏ととなえるだけで誰でも往生ができる
▼法然の選択本願念仏説
称名念仏は弥陀が選んだ唯一の往生行であるので、念仏以外では往生できない
▼もとのままの念仏
極楽往生のためには、念仏以外のことは不要なので、これまでの生活を改める必要はまったくない。漁師は漁師のままでよいし、遊女は遊女のままでよい。
平 雅行「法然」より引用
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