完全甘柿「富有柿」と「次郎柿」をエスパリエ仕立て(超低樹高一文字仕立て) で栽培
カキのエスパリエ仕立ての方法を模索してみます
「エスパリエ仕立て」(垣根仕立て/壁面緑化法)
果樹をうちわのように平たく仕立てる方法。壁や塀に誘引し、収穫しやすい
※狭義の超低樹高一文字仕立て
庭でおいしいカキを収穫しようと思って、甘柿の2大人気品種の 富有柿と次郎柿を昨年末、同じ場所にそれぞれ植え付けました。植え付けるスペースがなかったので、名もなき木を 2本ばかり感謝しながら伐採してスペースを創りだし"カキ園"を作りました。
仕立て方はネットで調べて「超低樹高一文字仕立て」という仕立て方にします。ちょうど、僕の"カキ園"は段差があるところなので、載せた写真をこれからみればわかりますが立った目の前に柿の実がなるという"何の苦もなく収穫できる"というスーパーすごい"カキ園"になる予定です。というか確実になります。
ライバルは鳥たちです。富有や次郎が熟し始めたとき、僕と鳥たちとどっちが早いか競争です。この競争に勝てば、秋の美味しい味覚をゲットです!
※まだ先の話ですが、様子を見て柿の実を鳥から守るために袋掛けをするかもしれません
僕が採用した仕立て方は広い意味でのエスパリエ仕立て、厳密にいうと「超低樹高一文字仕立て」に該当します。福岡県農林業総合試験場さんの開発した仕立て方を若干僕流にアレンジして実験してみます。
カキの超低樹高一文字仕立てによる軽労安定生産
果樹部
1 背景、目的
カキは高木性の果樹で樹高が高くなりやすく、せん定や収穫等、高所での管理作業が多くなっています。高所での作業は脚立の使用が必要であり、転落の危険性も高くなる等、労働負担が大きくなっています。
そこで、カキ生産者の労働負担を軽減するために、従来の立ち木仕立てより樹高が顕著に低い超低樹高一文字仕立てを開発しました。
(福岡県農林業総合試験場ウェブサイトホームページより引用)
ちなみに、どちらも受粉樹があった方がいいということで、事前に受粉樹として「禅寺丸(ぜんじまる)」も植え付けていますので準備万端です。
それではエスパリエ仕立て(超低樹高一文字仕立て) で栽培し始めた、甘柿の2大人気品種の富有柿と次郎柿の様子をご覧くださ~い。
富有(ふゆう)柿
柿(富有)
左右2本づつ枝を残して、団扇(うちわ)のように平たく仕立てます。写真のように、地面と鉄の柵(フェンス)に段差があるので、柵の部分に立ったときに目の前ぐらいに柿の実がなるように低樹高で仕立てます。
簡単に言うと、根鉢含まず樹高約2.0mで買った苗を、今後もずっと樹高2.0mで育て続けるということです。これ以上樹高を高くしないということです。超低樹高一文字仕立ては二本の主枝を水平に分岐させるのですが、僕は少し欲張って枝を 4本残して実験してみます。
すぐに仕立てるため、切り戻しはしませんでした。また、苗木が届いたときはもっと枝がたくさんありましたが、余計な枝はすべて切り落としてしまっています。
支柱を立てて富有の苗木の根元が風で動かないようにしています。
万が一食い込んでしまっても腐る天然のシュロ縄で枝を誘引します。
※針金とかビニールの紐は使いません
柿の木というとかなり高いところで実がなっていて、食べたくても実を収穫するのが大変というジレンマに陥るのが常ですが、僕はオレンジ色の柿の実が僕自身の目や手の高さに来るように仕立てます。
ちょっと富有にかわいそうな気もしますが、枝がやわらかくこの程度に曲げるのは簡単です(^^) 折れないギリギリの角度で固定しています。
成長に合わせて、このままどんどん横に伸ばしていき、果実の重みで枝が折れないようにところどころシュロ縄でしばって補強する予定です。
鉄の柵に近づけておくため、やはりシュロ縄で主幹を鉄にくくりつけておきます。
接ぎ木部分を地面の上に出しています。水はけをよくするため、若干土を高く盛り上げています。
上の鉄柵から見るとこんな感じ。僕の目の高さというよりもお腹の高さぐらいに富有は実ることになりますね!
頭は使いようですよね!情報は大事です。
これなら実がなったら、ここにきてただ"もぐ"だけです。脚立を用意したり、高枝切りばさみを持ち出したりすることなく、素手で柿が楽しめます。途中、万が一、病害虫が発生しても対策しやすいですし、剪定もしやすいですし、悪いことないです。
まあ、果実の収穫にフォーカスした仕立て方なので、秋の風情はないですけど(笑)
"日本最古の甘柿"「禅寺丸(ぜんじまる)」も受粉樹として植え付けていますので風情や情緒は禅寺丸でたのしみます(^^)/
次郎(じろう)柿
柿(次郎)
左3本、右1本枝を残して、うちわのように平たく仕立てます。
高さは富有とまったく同じです。根鉢を含まず樹高約2.0mで買った苗を、これからも樹高2.0mのまま育て続けます。この写真の右側に別の木があり木陰ができるので日当たりが悪いと思い、日当たりがいい左側に3本枝を残しました。バランスがわるいのですが、鉄の柵(フェンス)に枝はくくりつけ続けますので、大丈夫でしょう!あくまでもこの仕立て方はカキを食べるためのものです、カキを愛でるためではないので割り切りますw
富有と同じく、支柱を立てて次郎の苗木の根元が風で動かないようにしています。
残さない枝は、かなり太い枝も容赦なく切り捨てました。世の中には捨てることで得られるものが沢山あるのです。
次郎の枝もやわらかいです。こんな感じでやわらかく曲がりました(^^)
このまま、成長に合わせて左へ左へ水平に伸ばしていきます。
次郎も富有と同じく接ぎ木部分を地面の上に出しています。水はけをよくするため、若干土を高く盛り上げています。
(接ぎ木苗の場合)接ぎ木部分がある場合、接ぎ木部分が土に隠れると、接ぎ穂より根が出て、枝の伸びる勢いが強まり、実をつけにくくなります。(隅田農園)
上から見るとこんな感じです。次郎も僕のお腹ぐらいの高さにオレンジ色の実を実らせることになりました。何年か先ですが、楽しみです(^^)
左の緑の支柱: 次郎 右の緑の支柱: 富有 ※中央の太い木は別の木
左(手前)の緑の支柱: 次郎 右(奥)の緑の支柱: 富有
手前が富有
鉄の柵を使って仕立てるので、植え付け場所は柵のほぼ真下です。
手前が次郎
この写真を見るとよくわかりますが、要は平べったく育てるということです。この柵(フェンス)に沿って、オレンジ色のカキがズラーッと実るということなんです。エスパリエ仕立て(超低樹高一文字仕立て) でのカキ栽培、果たしてうまくいくかどうか!?
ちなみに富有と次郎のエスパリエ仕立て(超低樹高一文字仕立て) につかっているのははホームセンターで買った "シュロ縄(棕櫚縄)"です。
シュロ縄(棕櫚縄)
桃栗三年 柿八年 人の命は五十年
夢の浮世に ささので遊べ
「評判記・役者評判蚰蜒」 延宝2年/1674年6月刊
禅寺丸柿 - 緑色の柿のつぼみから、乳白色の柿の花が咲きました。
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