生死事大 無常迅速 - 黄檗宗・京都萬福寺(万福寺)の巡照板
生死は事大にして、無常は迅速なり。巡照板(じゅんしょうばん)に書かれ、雲水たちが木槌で三打して朗々と唱える禅の格言/六祖壇経の偈(げ)
萬福寺の巡照板(じゅんしょうばん)
生死事大 無常迅速
五連の句
平成31年(2019年) 4月2日 村内伸弘撮影
謹白大衆 (きんぺだーちょん)
生死事大 (せんすすーだ)
無常迅速 (うーじゃんしんそ)
各宜醒覚 (こーぎしんきょ)
慎勿放逸 (しんうふぁんい)
謹んで大衆(修行僧)に申し上ぐ。
生死は、事大にして、
無常は迅速なり。
各々、醒覚して、
無為に、時を過ごさぬように。
僕の人生のバイブル、道元禅師の「正法眼蔵随聞記 / 水野弥穂子 訳(ちくま学芸文庫)」の帯に書かれていた言葉を見つけました!!
無常迅速なり。生死事大なり。
道元禅師の言葉とまったく同じです!!
※六祖壇経/ろくそだんきょう(慧能)という禅宗の根本教典の中にもともとこの言葉はあるようです
それでは順番に萬福寺の様子をご覧ください。
開版(魚梯/かいぱん)
雲水が棒で打つと山内の隅々迄響き渡る音が出ます
斎堂前にある魚板で木魚の原型だそうです。時を報するものとして今現在も使われているそうですから凄いですね!!音聞いて見たかったです。。。
木魚の原形ってことですから、木魚は最初はこんな形だったんですね~
前から見た開版(魚梯/かいぱん)
下から見た開版(魚梯/かいぱん)
横から見た開版(魚梯/かいぱん)
重要文化財の斎堂(齋堂/食堂)
典座(てんぞ)は名字じゃなくって、禅寺で食事などを司る役割の僧のことを言います。
隙間から見えました 笑
緊那羅王菩薩ホントに祀ってありました
前を歩く人たちとうしろの本堂・大雄寶殿(大雄宝殿)の大きさを較べてみてください。写真右は屋根付きの回廊です。
いんげん まめ太郎
萬福寺にもゆるキャラがいました 笑
普茶料理(ふちゃりょうり)
普茶料理
「普茶」とは普く(あまねく)多勢の人にお茶を差し上げるという意味で、お寺での行事について協議や打ち合せの時に、茶礼という儀式を行い、その後の謝茶(慰労会)で出される中国風精進料理を普茶と言います。
せっかくだから本場・萬福寺の中で普茶料理を食べよう!と思いました。
普茶席があるみたいです
黄龍閣というお食事処がありました!
がっ、予約した人だけしか食べられないそうで断念~ん(涙)
倒福や桃の豆知識
倒福の豆知識
中国では「福」の文字は現在「幸福」の意味で使用される事が多いが、倒福では「福気・福運」の意味で使用されている。その福が到るようにという願いを込めて、倒して貼ることが一般的となっている。
桃の豆知識
中国において桃は仙木・仙果と呼ばれ、昔から邪気を祓い不老長寿を与える植物といわれ、除魔・招福の象徴として親しまれている。
五色の豆知識
一部、倒福が貼ってあって見えな~い 笑
雲水さんのお通り~
日本最古(日本最強)の七福神!
布袋尊 万福寺
江戸初期、中国から渡来した隠元禅師が中国の黄檗山を模して創建した黄檗宗の大本山で、中国明朝様式の伽藍配置がなされています。開祖隠元の来日は日本の仏教に新風を吹き込むと同時に、建築や仏像・書画・普茶料理などの様々な文化も同時にもたらし、煎茶道の粗・売茶翁を祀る売茶堂があります。祀られている布袋尊は茫道生作で、特に傑作といわれています。
団体さん向けに雲水さんの法話が始まるようです。
僕はこの団体ではないんですが、せっかくなので特等席で法話(隠元禅師や黄檗宗、萬福寺についての話)を聴かせてもらいます 笑
動画撮りましたので、法話の一部お聴き下さい。
法話が終わりました。
徳川将軍の家綱公が黄檗宗や隠元禅師にゾッコンだったとか、明朝体は隠元が持ってきた大蔵経の版が元になって普及したとか面白い話がたくさん聴けました。
萬福寺の建物は日本で唯一鉄木(てつぼく)と言われるチーク材が使われていて歴史的な建物であるということも知ることができました。
家綱公からの様々なバックアップのため、萬福寺には徳川の葵の御紋があるようです。
本堂・大雄寶殿(大雄宝殿)
ご本尊の釈迦如来
横から見た釈迦如来像
十八羅漢(十六じゃありません)の中ではこの諾詎羅尊者(なくらそんじゃ)が気に入りました。迫力ある感じですもんね!
大雄寶殿(大雄宝殿)の裏側から法堂が見えました
大雄寶殿内の裏側に巡照板(じゅんしょうばん)がありました。文字はかすれてしまってほとんど読めません。
鐘もありました。
萬福寺法堂
法堂は説法を行う場所で、禅寺の主要伽藍になります
法堂へ歩いて向かいます。
法堂正面の卍崩しの勾欄(こうらん/欄干や手すりという意味)
法堂正面の勾欄は 卍(まんじ)及び卍くずしの文様になっています。確かに 卍 のように見えますよね!かっこいい文様です!!
この石段を上ると法堂です
萬福寺法堂の巡照板(じゅんしょうばん)
うわー!!
「生死事大」「無常迅速」という文字がありました!!!!
道元禅師の言葉と同じです!!!!!!
謹白大衆 (きんぺだーちょん)
生死事大 (せんすすーだ)
無常迅速 (うーじゃんしんそ)
各宜醒覚 (こーぎしんきょ)
慎勿放逸 (しんうふぁんい)
「巡照板(じゅんしょうばん)」と呼ぶこの版木は、禅堂、西方丈など五ヵ所に設けられています。
開創以来の三百余年、朝四時と夜の九時に木槌で三打して朗々と唱え、起床と開枕(消燈)を告げ、順次打ち鳴らします。
この諷経(ふうぎん)で一日が始まり、一日が終わるのです。
五連の句意は、
・謹んで大衆(修行僧)に申し上ぐ。
・生死は、事大にして、
・無常は迅速なり。
・各々、醒覚して、
・無為に、時を過ごさぬように。
仏道修行僧の心を、戒めています。
いやー!ビックリしました!!
黄檗宗も曹洞宗も禅宗なので、800年近く前に道元禅師が使った同じ言葉にここ萬福寺で巡りあえました!しかも、巡照板に書かれ、禅僧たちに今もなお毎朝、毎晩朗々と唱和されている!!
無常迅速なり。
生死事大なり。
死の至ることは速やかである。
生死を明らめることは重大である。
僕はこの言葉を読んで、ああ自分は時間を無駄にし、自分に執着し、何も行動してないなと思いました。
それほど、このたった 8文字の言葉には迫力があるんです!!!!!
生死事大 無常迅速
木槌で毎朝、毎晩叩かれて版木はすり減っています!!
めっちゃカッコイイ写真です!!
生死事大 無常迅速
生死事大 無常迅速
生死事大 無常迅速
生死事大 無常迅速
生死事大 無常迅速
生死
生
死
下から見た巡照板
横から見た巡照板
巡照板の裏側
重要文化財の法堂
巡照板と勾欄(じゅんしょうばんとこうらん)
巡照板と勾欄(じゅんしょうばんとこうらん)
黄檗山の一日は、朝の巡照板によって始まり、夜の巡照板によって終ります。ここで修行する雲水(修行僧)が正覚をめざして精進を誓い、自覚を促すために巡照板を打ち鳴らして各寮舎を回ります。開山堂・法堂正面の勾欄は卍及び卍くずしの文様になっています。
円窓
法堂正面の 卍(まんじ)及び卍くずし勾欄
作るの大変そう(笑)
でも、ホントかっこいいです!
天王殿にはタスキ勾欄と言ってチベット寺院で使われているバッテン印の勾欄もあったそうです。禅僧のお話でさっき聞いたのですが、今回は行けませんでした(気付きませんでした)。
法堂の裏側へ行く行き方がわからないのと、もうお腹が空いたので今回はこれで終わりにします。
「生死事大 無常迅速」の巡照板と出会えたからもう他のものはどうでもいいやって!
来た道を帰ります
黄檗樹(きはだ)
煎茶道の粗・売茶翁を祀る売茶堂の窟門(竜宮門)
売茶堂の中の桜、この桜はけっこう咲いています
売茶堂の中国風の白い竜宮門
ははははw
やっぱり、ここ中国やん!
万福寺、すばらしいです!!!!
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