観経(かんぎょう)の講義本 「観無量寿経」をひらくを読みました
浄土三部経の一つ!王舎城の悲劇!凡人が救われていくための教え・救済のお経「観無量寿経」の意味を理解できました。 NHK宗教の時間のテキスト(講師 釈徹宗)です
NHK宗教の時間 「観無量寿経」をひらく 釈徹宗
観経(かんぎょう)/ 観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)
「観無量寿経」は死ねば浄土に往生するという、帰る世界をもつ人生を選んだ人たちの物語(釈徹宗)
もし心に仏を念じることができないのなら、ただ口に無量寿仏のみ名を称えなさい(釈尊)
浄土三部経という浄土宗や浄土真宗の根本経典があるのですが、その中の一つ「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」の講座であるこのテキストを読んで、その意味するところを学んでみます!
浄土三部経
1. 無量寿経
2. 無量寿経 ← 今回コレを読みます
3. 阿弥陀経
講師の釈徹宗さんによると観無量寿経はこんなお経です
・凡人・凡夫、愚者、悪人は救われるのか?というテーマを持つお経
・物語性の高さに魅力があるお経
・リアルな人間の苦悩が描かれていて現代人にとっても興味深い内容のお経
・悲しい人間の実相をあわれみ、愛しいと感じるウェットな思想を持つお経
・善導が中国浄土教を体系化した際の礎となったお経
・東アジアやアジアの仏教や文化に多大な影響を与えたお経
・浄土仏教だけではなく、禅や天台にも影響を及ぼしたお経
・本質的にとても豊かな要素を内包しているお経
・サンスクリット語の原典が見つからないお経=中国語訳が一巻あるだけのお経
「観無量寿経」は王舎城の悲劇という事件を舞台に、母であり、妻であり、凡人である主役韋提希(いだいけ)が救われていく物語でした。苦悩する人間が "阿弥陀仏(あみだぶつ)とその浄土"の教えを通じて救われていく物語でした。
立即得生(りっそくとくしょう)という韋提希夫人がさとりを得たシーンで、光明まばゆく輝きながら空中に立ち現れた阿弥陀仏(住立空中尊/じゅうりゅうくうちゅうそん、立撮即行/りっさつそくぎょう)のエネルギーは途方もなくスゴかったです!!
釈徹宗さんは仏教はもちろん西洋哲学や文学などにも造詣が深く、言葉も平易かつフランクで観無量寿経の世界をざっくり垣間見ることができました。このお経の存在意義をおおよそ理解することができました。
仏教用語はとにかく難しいので、難しい用語が出てくる部分は僕のレベルだと一回読んだぐらいじゃとても理解できませんし、そもそもこのテキストは観無量寿経の全文は載ってないんで "入門"としてこれからもパラパラ折に触れて読み返してみたいと思います。幸い、薄くて読みやすいので観無量寿経を深く理解していくためのウォーミングアップであり、基礎固めです 笑
あと面白かったのは弥陀三尊という真ん中に阿弥陀仏、左に観音菩薩、右に勢至菩薩(せいしぼさつ)が並ぶ仏様をまつるスタイルの意味です。これは仏教の教えを象徴的に表しているそうなんです。観音菩薩が「慈悲」を表し、勢至菩薩が「智慧」を表していて、真ん中の阿弥陀仏は「さとり」を表しているそうです。そしてその「さとり」の中身は智慧と慈悲ということを初めて知りました。
それと芬陀利華(ふんだりけ/白い蓮の花のような人)と呼ばれる妙好人(みょうこうにん)たちは浄土の教えの神髄的存在なんだと感じました。日本津々浦々の市井の無学で素朴な念仏者が仏道を極め、救われていく。コレは本当に素晴らしいことですね!!
勉強になり、刺激になりました!
要するに「観無量寿経」は
凡夫・凡人が救われていくための教え(善導)
だったのです!!!!!!!
"人類史上屈指のスーパースター" お釈迦様が阿難(あなん)と韋提希に告げたこの言葉も劇的でしたよ~!
「無量寿仏(阿弥陀仏)の光の姿や、その光を観想しなさい、とにかくものすごく光輝いている存在である。」
僕・村内伸弘が今回購入し、学んだテキスト
NHK宗教の時間 ラジオ第2放送
NHK宗教の時間 「観無量寿経」をひらく テキスト表面
テキストのイラスト 僧侶は著者(講師)の釈徹宗さんっぽいです 笑
テキスト裏面 中央仏教学院の広告
仏教の通信教育らしいです
「善は急げ 思い立ったその時に仏教の扉を開けましょう」だって~
扉開けちゃおっかなー 笑
善導(「善導大師像」京都・知恩院蔵)
「感無量寿経」を礎として中国浄土教を体系化した高僧
皆さんもぜひこのテキストを入手して読んでみてください♪
僕は詩人・作家である佐藤春夫さんの「観無量寿経(ちくま学芸文庫)」という文庫本も買ったので、今度両方比較しながら読んでみます♪♪
仏教や経典の奥はとてつもなく深いです。。
人間は深いです。。
その深みにどんどんハマっていってしまう自分がいますw
楽しいですよ~☆
PS
釈徹宗さんのこの感想から「心を伸ばす」という僕・村内伸弘の「伸」の字を使った言葉を知ることもできました
いったい人間はどこまで心を伸ばすことができるのだろうかと考えさせられます。どこまで心を伸ばせるかという課題が、瞑想の "キモ"の一つと言えるのではないでしょうか。極限まで心を伸ばしていく、そこに真身観という観法の本質があるのではないでしょうか。
「観経」は日本の語り芸との関係も深いのです。物語性の高い経典だからこそ、さまざまな関連作品を生み出してきたのでしょう。しかも、物語性の高さのみならず、内面を深く掘り起こし、心を見えない世界へと伸ばすという、「観経」で説かれている内容が、多くの人々の創造性を刺激したのだと思います。
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