劇的な観経!詩人・作家 佐藤春夫の「観無量寿経」が突き抜けている!
住立空中尊!絶望が希望に変わる奇跡の大乗仏教!ちくま学芸文庫がシリーズ化した観無量寿経が超ドラマチックです♪♪
「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」
訳・注 佐藤春夫 解説 石田充之
我が子に命狙われる「王舎城の悲劇」で有名な浄土教の根本経典。思い通りに生きることのできない我々を救う究極の教えを、名訳で読む。
漢文・古文の知識が必要な仏典を独学で読むのはほぼ不可能に等しい。しかし日本を代表する大作家・佐藤春夫はその筆力により、一人で経典を理解し、味わうことのできる訳を用意した。『観無量寿経』は『無量寿経』、『阿弥陀経』とともに「三部経」と称される浄土仏教の根本経典。仏や仏のいる世界を「観る」方法を説くとともに、自分の力ではいかんともしがたい人生を俯瞰し、切り抜ける方法を教えてくれる。経典の主人公はわが子アジャセに命狙われる古代インドの王妃イダイケ。なぜこのような悲劇が起こるのか説明を迫るイダイケに、シャカは因・縁・果の物語を説く。
詩人であり、作家でもある佐藤春夫の「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」を読みました。
まあ、すごい本でした!
お経ってこうやって読むんだって思いました
詩人が読むとこう見えるんだ
作家が読むとそうとるんだって感じました
「観無量寿経」ってこんなにも突き抜けたお経だったんですねっ!!
お経ってそもそも "仏の説いた教えを記したもの"なんですが、ともすると難解で、無機質で、無意味なものだと思いがちですよね。
でも、この佐藤春夫さんの訳や文章を読んだら、僕にはお釈迦さまが目の前でいきいきと躍動している姿がハッキリと見えました。
雲湧くがごとき盛観です。燃えしきるごとき光の世界です。まことに、雄大で決して衰えない力が歴々と感じ取られる景観です。全く美しい。
佐藤春夫
阿弥陀さまが韋提希(イダイケ)を救うために空中に突如姿を現わした "住立空中のシーン"の劇的ぶりは本当に衝撃的でした!!佐藤さんはこの住立空中尊について自身も大興奮しながら筆を進めていました。
まさにこれこそが大乗仏教による絶望が希望に変わる奇跡の瞬間です!
佐藤春夫「観無量寿経」のカバー
この本「観無量寿経」の目次
悲劇を機縁として「観無量寿経」 訳・注 佐藤春夫
釈尊が「無量寿仏を観奉ること」を説かれた聖典
「観無量寿経」入門 石田充之
「観無量寿経」の成立と翻訳
「観無量寿経」の流伝と理解の発展
「観無量寿経」の教説内容について
参考注釈書について
文庫版解説 「凡夫」のための経典「観無量寿経」 阿満利麿
著者 佐藤春夫さんについて
佐藤 春夫(さとう はるお)
和歌山県生まれ。1892-1964年、作家。著書に「秋刀魚の歌」、「都会の憂鬱」、「西班牙犬の家」、「極楽から来た」などがある。法然の教えを大切にし、浄土宗の篤実な信徒として過ごした。京都・知恩院、東京・伝通院、明石・無量光寺に墓がある。
原文である漢文は載っていませんが観経の全文が載っていますし、佐藤さんの訳は原文以上にお釈迦様の実際の語りに近いんじゃないかと僕は気づきました。注にいたっては、宥(ゆる)される喜び、他人を宥す喜びにあふれ、全編弾むような調子で書かれています!
お経が弾む。
弾むお経。
こんな仏教の本は生まれて初めて読みました。
突き抜けています!
圧巻です!
僕は大切にします
この本を
このお経を
(おまけ)
1964年(昭和39年)、享年72歳、佐藤春夫さんの逝去を伝える雑誌紙面
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