【追悼】直木賞作家 古川薫さん 吉田松陰の「留魂録」は激動する21世紀の春夏秋冬を生きつつある若い世代に、今こそ味わってもらいたい大文章である。
吉田松陰の遺書「留魂録」は「炎の教師」松陰の体温が、独特の格調をもって隅々に行きとどいているダイイング・メッセージである。古川薫
全訳注 古川薫 吉田松陰 留魂録
古川薫(ふるかわ かおる=作家)さん
平成30年5月5日死去
(平成30年5月6日 日本経済新聞 朝刊より引用)
直木賞作家の古川薫さんがお亡くなりになりました。
心からお悔やみ申し上げます。
今朝、自宅で何気なく日経を見ていたら、おくやみ(訃報)の欄に古川さんが載っていてびっくりしました。と同時にこれは絶対にブログにお悔みの記事を書こうと思っていまこうやって古川さんの追悼ブログを書いています。
僕・村内伸弘は吉田松陰先生を尊敬しているのですが、松陰先生といえば明治以来実にさまざまな本や雑誌などの出版物が世に出ています。松陰先生の生き様と死に様がすごいのでそのどれもが素晴らしいのですが、中でもピカピカと輝き、キラキラと光を放っているのがこの古川薫さんが全訳注を行った講談社学術文庫の「吉田松陰 留魂録」です。
僕はこの古川版 文庫留魂録を 3冊蔵書しています。
1冊は自宅閲覧用、1冊は会社閲覧用、1冊は永久保存用(自宅に保管)です。
※本文の写真は自宅の 2冊です
※青空バックの写真は会社の 1冊です
このブログを書く意義は古川さんを偲ぶと同時に、この追悼記事と出会い、今まさに僕の文章を読んでいるあなたにこの文庫本を味わって頂くことだと思っています。
ぜひ、あなたもこの古川版 文庫留魂録を味読してください、精読してください。ご自身でなくても構いません、古川さんもおっしゃってますがぜひ若い世代の人たちに薦めてあげてみてください(買ってあげてください)。
合掌
僕の蔵書 古川薫版「留魂録」
全訳注 古川薫 吉田松陰 留魂録
切々と愛弟子に訴える最後の訓戒 炎の教師、松陰の遺書
この 2002年当時の文庫本の帯もキャッチ―です。これ以上のキャッチはないと思います。僕はこの帯も含めて、この文庫本3冊を大切にとってあります。
身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ぬとも
留置まし 大和魂
志高く維新を先駆した炎の思想家吉田松陰が安政の大獄に連座し、牢獄で執筆した 『留魂録』。愛弟子へ切々と訴えかける最後の訓戒で、死に直面した人間が悟り得た死生観を書き記した格調高い遺書文学の傑作を味読・精読する。
この文庫本の一字一句が吉田松陰先生とその弟子・古川薫さんとが命を懸けたメッセージだと僕は思っています。
全訳注 古川薫 吉田松陰 留魂録
続いて故・古川薫さんがこの文庫本のまえがきとして書いた文章をご覧ください。この魂を震わす古川さんの文章はまさに古川さんが僕たちに残した大文章だと思います!
古川版留魂録、読むしかないと思います!!
『留魂録』は、ひそかに門下生のあいだで回覧され、師の遺志を継ごうとする彼らのバイブルともなった。松陰の述作や諸記録によくあらわれてくる人物はおよそ三十人で、これが主要な松陰門下とみられる。彼らの身分別構成は士分と下積みの階層に属していた人たちが半々に分けあっており、年齢別には十代が三分の二を占めている。
この人々のうち約半数が明治まで生き残って余生をまっとうしたが、あとの者は松下村塾の四天王といわれた久坂玄瑞・高杉晋作・吉田稔麿・入江九一(杉蔵)をはじめ俊足の多くが行動なかばに斃れた。それも割腹自殺ハ、陣没三、討死二、斬首一というのは衝撃的な事実である。指導者の強烈かつ優れた感化力が、どのようなものかを立証する恐るべき成果といえる。『留魂録』は、五千字にすぎない。全訳し松陰小伝をつけて文庫に収録するには恰好の分量だが、「二十一回猛士」が維新史に刻んだ畢生の遺書として不朽の光を放っている。吉田松陰の春夏秋冬は三十歳で結実した。『留魂録』は、激動する二十一世紀の春夏秋冬を生きつつある若い世代に、今こそ味わってもらいたい大文章である。
2002年晩夏
古川薫
「吉田松陰 留魂録」講談社学術文庫より引用
今から 15年前に僕が Amazonにレビューした文章がまだ残ってました。今日現在で「57人のお客様がこれが役に立ったと考えています。」になってました。
よろしければ最後にご覧ください。
あまり時間はありません...
投稿者 村内伸弘 2003年2月24日
「 燃える命 」と出会いました。
吉田松陰が全身全霊をぶつけ死の前日に書き上げた留魂録が理想的な形で蘇りました。手のひらに収まる文庫に収まったことで、松陰先生を肌身離さず持ち運べることになりました。
人生に限りがあるとするならば、ポケットに入った留魂録の原文五千字とふとした時間に向き合うことが自らを昂ぶらせることになるのです。
僕はこの本を買って、毎日松陰先生の魂と向き合うことになりました。人生に限りがあることをハッキリ意識することは、命を大切にすることです。松陰先生が僕たちに語り掛けてきます。僕たちは答えを出さねばなりません。
いかに生きるのか? 何をなすべきか? 人生の目的は?
二十一回猛士の首が落ち、志士たちは走り始めました。僕たちは、いつになったら命懸けになれるのでしょうか?
2030年8月4日(日)、松陰先生の生誕200年を迎えます、この日までには結論を出したいところです。
あまり時間はありません...
▼僕・村内伸弘の座右の書
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