栄養繁殖: 鱗片からヤマユリの子球（小さい球根）が出ていました

2017/03/29 08:44

鱗片挿しの地下部を確認してみました

鱗片（りんぺん）から出たヤマユリの子球
平成29年3月28日　村内伸弘撮影　　※白い部分が子球

▼5ヶ月前の鱗片（りんぺん）

平成28年/2016年 10月25日のヤマユリの鱗片

5ヶ月前に「プランターでヤマユリの発芽に挑戦！」ということで、ヤマユリの鱗片挿し（鱗片繁殖）にチャレンジしてみましたが、5ヶ月経って、春を迎える前に地下部がどうなっているのか？が気になり、鱗片をいくつか抜いてみました。

まだ、子球がでていないのもあったのですが、ご覧ください！赤黒くなった鱗片の地下部には、可愛らしい子球（小さな球根）が生っていました！！

プランターの中で赤黒くなったヤマユリの鱗片

プランターから取り出してみると～　子球が発生しています！

やった～！！見事に子球ができています！！
約5ヵ月間、鱗片が腐ったり、ダメになったりしないように新聞紙で覆い、直射日光や雨が当たらないように大事に管理してきました。冬の間、土が凍ってしまったり、霜や寒さにやられないように細心の注意をしてきました。その甲斐がありました！

鱗片繁殖の適温は（23℃前後）なので、本来は 9月下旬頃までには作業をしておく必要があったのですが、実際は 10月下旬作業になっていました。気温が下がってからの作業だったので、子球が出てくる時期が 4月中旬～下旬ぐらいにズレ込むのではと思っていましたがこの時期で子球が形成されていましたので結果的には 10月下旬でも大丈夫でした。地球温暖化の恩恵です（笑）

鱗片ざしでのヤマユリの繁殖（栄養繁殖/無性生殖）、うまくいきそうです（＾＾）

この白は美しい白です。この白い部分が球根（鱗茎）となり、茎立ちし、数年後、ヤマユリが咲き乱れるなんて思いもよらぬ自然のいたずらです。

右側の子球の根？はおたまじゃくしみたいですね（＾＾）

水で洗ったら、こんな感じでした。

春の日差しに照らされるヤマユリの子球

園芸的に行われる、鱗片をバラバラにはずして植え込む鱗片繁殖は、自然界では動物に食害されバラバラになっても、残った一片から再生する役割があると言われます。鱗片繁殖は大多数のユリで可能で、鱗片を一枚づつはがして植えると、子球ができ、子球を二年ほど育てる大きな鱗茎になります。

神奈川県立四季の森公園所長小野澤さん

うーむ、ヤマユリの繁殖戦略はほんとうにしたたかです！イノシシや野ネズミなどに球根をバラバラにされても、残った一片から子孫を残せるというとんでもないクローン戦略！！それが鱗片繁殖なのです。普通はバラバラにされた瞬間に子孫なんて残せなくなりますからね。。。

ヤマユリの実生繁殖（種子繁殖）の時にも過酷な環境でも、ギッシリと詰まった種を風に飛ばさせて自分たちの子孫を残していく力強さに唸らされたのですが、こうやって球根を解体して 1枚1枚はがした鱗片から実際に子球が形成されてくるのを目の当たりにすると、その生命力に感嘆せずにはいられません！！