熊野古道15: 補陀洛渡海最大の聖地・補陀洛山寺へ
補陀落渡海船 - 南無阿弥陀仏(補陀洛渡海/ふだらくとかい)
補陀洛渡海最大の聖地・補陀洛山寺
那智山青岸渡寺 別院 補陀洛山寺(ふだらくさんじ)
補陀洛山寺の御案内
宗派
比叡山延暦寺を総本山とする天台宗山門派
当寺の沿岸
補陀洛渡海で全国に知られる当寺は、仁徳帝(三一三-三九九)の御代に印度より渡来の裸形上人により開かれたと伝えられ、那智本願の一寺として隆盛をきわめた。
御本尊
三貌十一面千手千眼観音菩薩は、平安後期の作と伝えられ、御丈一メートル九〇センチの立像で、国の重要文化財の指定を受けている。
補陀洛渡海
那智の浜から生きたまま船に乗せ、観音の浄土、すなわち補陀洛山に往生しようとする宗教儀礼で、当寺から多くの行者が渡海した。
渡海上人の墓、二位尼・平時子、三位中将・平維盛の供養塔が裏山に現存している。
補陀洛渡海(ふだらくとかい)
「那智の浜から生きたまま船に乗せ、観音の浄土に往生しようとする宗教儀礼」と書かれていますが、五来重さんは著書の中でこれは「水葬」であると断言していますが、僕も"生きたまま"というのは"さすがにあり得ない"と思います。中にはツワモノがいて 2~3人ぐらいは生きたまま船出したかもしれませんが、ほとんどの上人は"死んだ後"船出させられたと思います。
補陀洛渡海記念碑
熊野(那智、補陀洛山寺)は、僧侶たちが観音の浄土補陀洛山をめざして船出した補陀洛渡海の最大の聖地であった。
貞観10年(868年) 慶龍上人(熊野年代記)
延喜19年(919年) 祐真上人(熊野年代記)
堀河院(1100年頃) 某上人(台記)
天承元年(1131年) 高厳上人(熊野年代記)
寿永3年(1184年) 平 維盛(平家物語諸本)
天福元年(1233年) 智定坊(吾妻鏡ほか)
嘉吉元年(1441年)祐尊上人(熊野年代記)
文明7年(1475年) 万里小路冬房(続史愚抄)
明応7年(1498年) 盛祐上人(熊野年代記)
享禄4年(1531年) 祐信上人(熊野年代記)
天文8年(1539年) 光林上人(熊野年代記)
天文10年(1541年) 正慶上人(熊野年代記)
天文11年(1542年) 善行上人(熊野年代記)
天文14年(1545年) 日誉上人(熊野年代記)
弘治2年(1556年) 梵鶏上人(熊野年代記)
永禄3年(1560年) 清信上人(熊野年代記)
永禄8年(1565年) 金光坊(熊野巡覧記)
天正6年(1578年) 清源上人(熊野年代記)
文禄3年(1594年) 心賢上人(熊野年代記)
寛永13年(1636年) 清雲上人(熊野年代記)
承応元年(1652年) 良祐上(熊野年代記)
寛文3年(1663年) 清順上人(熊野年代記)
元禄2年(1689年) 順意上人(熊野年代記)
元禄6年(1693年) 清真上人(熊野年代記)
享保7年(1722年) 宥照上人(熊野年代記)
ここに渡海僧の霊を慰める記念碑を建立し、他界の地「熊野」の再興を祈念する。
平成四年十一月吉日
熊野三山協議会
世界遺産 補陀洛山寺 補陀洛渡海発祥の地
庚申
大楠です、デカっ!!
渚の森のご案内 熊野三所大神社
境内の森を「渚の森」という。「紀路名所記」「紀路歌枕抄」にもあり、昔の面影はないが、古来和歌によく読まれた名勝の森。
◎熊野巡覧記 (寛政期)
「林中に一つの祠あり、若宮と名づく」とあり、古くより若宮の社殿と五輪塔があった。(安政の大津波で流失)
◎紀南郷導記(元禄記)
寺前に社有り。同じ側に玉石と号し力だめしの石二つあり。「この社は白河院法皇の御陵云々」とある。
◎「力だめしの石」は、古代の「丸石神」の石ともいわれ、中世以降は石を持ち上げて、その重い軽いで願い事の占いをし、また力くらべをしたようである。
◎「神武天皇頓宮跡」の碑は、神武天皇祭の興隆とともに大正期にこれを建て、囲いをしたものである。
◎「閼伽の井(あかのい)」 古来、当社および補陀洛山寺が神前仏前の供え水を汲んだ井戸であり、近年は祭典奉仕者が潮垢離を取ったあと、真水で禊をする井戸となっている。
神武天皇顕宮跡。何度も書きますが、神武天皇ですよ、神武天皇!明治天皇じゃないですからね!後醍醐天皇でもありません。神武天皇ゆかりの地なのです、ここ熊野は!!
浜ノ宮の大楠 推定樹齢八百年
浜の宮王子社跡
藤原宗忠の日記、「中右記」天仁二年(一一〇九)十月二十七日条に、「浜宮王子」とみえ、白砂の補陀洛浜からこの王子に参拝した宗忠は、南の海に向かう地形がたいへんすばらしいと記しています。「平家物語」には、平維盛(これもり)がここから入水したと記されていますように、補陀洛浄土(観音の浄土)に渡海する場所でした。那智参詣曼荼羅には、浜の宮王子の景観とともに、この補陀洛渡海の様子が描かれています。また、浜の宮王子では、岩代王子(みなべ町)と同様に、「連書」の風習がありました。連書とは、熊野御幸に随行した人々が、官位・姓名と参詣の回数を板に書いて社殿に打ち付けることです。応永三十四年(一四二七)の足利義満の側室・北野殿の参詣では、十月一日に「はまの宮」に奉幣し、神楽を奉納したのち、帯や本結(紐)を投げると、神子女(巫女)たちが、争って拾った様子を、先達をつとめた僧実意(じつい)が記しています。
三所権現あるいは渚宮と呼ばれていましたが、現在は熊野三所大神社と称しています。
なお、隣の補陀洛山寺は、千手堂あるいは補陀洛寺と呼ばれ、本来はこの王子社と一体のものでした。
小さな女の子たちがたのしそうにギッタンバッコンをしてました。のどかです(^^)
当社御案内
熊野三所大神社
一.御祭神(国指定重要文化財)
家津美御子大神
夫須美大神
速玉大神
二.摂社(石宝殿)
丹敷戸畔命(地主ノ神)
三狐神(食物ノ神)
若宮跡(浜ノ宮王子社跡)
渚の森にあり、社殿は宝永の津波で流出
三.由緒
古来「渚の宮」「浜の宮王子社」「熊野三所権現」と称せられ、補陀洛山寺との神佛習合の形態が今に残り本殿のすぐ前で参拝ができる数少ない神社である。
○熊野年代記に
欽明天皇廿四年「浜の宮に宮殿出現」とあり、同三十年補陀洛観音出現とある。(約一四〇〇年前)尚天武天皇五年八月大暴風雨「浜の宮王子社流る」とある。
○平家物語、維盛入水の頃に
「浜の宮と申す王子の御まへより一葉の舟に棹さして」とある。
○熊野詣日記(足利義満の側室)に
「申の半時に、はまの宮に御つき御奉幣、御神楽常のごとし」とある。
四.渚の森(社寺前の森を云ふ)
昔の面影はないが「紀路歌枕抄」にもあり古来和歌によく読まれた名勝の森。
続古今集 衣笠内大臣
「むらしぐれ いくしほ染めて わたつみの 渚の森の 色にいづらむ」
以上
熊野三所大神社(浜の宮大神社)
補陀洛山寺
渡海上人たちのお墓がある裏山に向かってみます。
渡海上人の墓
補陀洛
ふだらく渡海の寺 補陀洛山寺
今日のスケジュールこれで終わり、レンタカーで JR白浜駅までこれから戻ります。
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- Mi-Kumano 世界遺産熊野古道のガイド
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