「人口から読む日本の歴史(少子化問題を論ずる前に読む本)」は衝撃的な日本史
少子高齢化社会を迎えるわれわれが進む道とは何か?
増加と停滞を繰り返す、4つの大きな波を示しつつ、1万年にわたり増え続けた日本の人口。そのダイナミズムを歴史人口学によって分析し、また人々の暮らしの変容と人生をいきいきと描き出す。近代以降の文明システムのあり方そのものが問われ、時代は大きな転換期にさしかかった。その大変動のなか少子高齢化社会を迎えるわれわれが進む道とは何か。
第1章 縄文サイクル
第2章 稲作農耕国家の成立と人口
第3章 経済社会化と第三の波
第4章 江戸時代人の結婚と出産
第5章 江戸時代の死亡と寿命
第6章 人口調節機構
第7章 工業化と第四の波
終 章 日本人口の二十一世紀
カバー写真: 農業図絵(桜井健太郎氏所蔵)… 約300年前の日本人たち
享保2年/1717年に加賀(石川県)の土屋又三郎が著した江戸時代の庶民の生活図絵。
江戸時代の一年間の行事、暮らし、農耕の様子が描かれているそうです。
付箋(ふせん)だらけになりました~
日本の歴史と言うと、徳川家康とか、明治維新とかそういう
切り口しか思い浮かばなかったのですが、
この鬼頭宏さんの「人口から読む日本の歴史」を読んで、
この国には全く別の歴史が存在していることに気づかされました。
そして、こっちの歴史の方がドキドキして、ドラマチックで感動的です。
歴史人口学から解き明かされた日本列島に生を受けた民衆の
生き様と死に様は圧巻です!!少子化対策に興味があって、
この本を手にしたのですが、大正解でした。
二世紀以上前にヨーロッパの一隅に生まれ、世界のあらゆる地域を
いやおうなく巻き込んで成長してきた工業文明が今終わろうとしている。
と綴られた終章では、日本の歴史というよりも人類全体という
スケールの文明論になっています。人口と文明の相関性に
心の底から驚かされます!すごい説得力です。
この本が示す歴史観(文明観)や歴史の変遷を
自分の思考のベースに持てたので、
今後少子化問題を考える際に確実に深みが出ると思います。
「人口から読む日本の歴史」、名著だと思います。
PS
人口調整の章に記されていた堕胎や間引の部分は読んでいて
恐ろしくなりました。頭の中が白くなって気持ちが悪いです。。。
これも僕が生まれた国・日本の歴史なのか。。。
▼English(英文)
Speaking of Japanese histroy, I only recall a few viewpoint
such as Ieyasu Tokugawa, Meiji revolution and so on.
However, as I read through this "Japanese history analysed
from its population," I was noticed that our country has an
another history different from that normal one.And, this
history is more exciting, dramatic and impressive than that
one. People's way of life and death is the best part of this
book who were born in this Japan archipelago which explained
by historical demography. I got this book for my interest
of declining birth rateand my decision is quite right.
The industrial civilization finally looks demise whichoccur
in Europe more than 2 centuries ago and has grownwith
catch up almost area on the earth since then.In the final
chapter involve the article above,the author talks the large
civilization of all human being instead of Japanse history.
I was surprised bythe interrelation between population and
civilization in the bottom of the heart. His persuasion is
breathtaking.
I got this way of thinking as mine which this book discloses
a historical view and change. Therefore, I also got the way
of deep thinking for this difficult issue without doubt.I really
think this book, "Japanese history analysed from its population,"
is masterpiece.
Post script
I senced abortion and culling referenced in the chapter of
population adjustment are dreadfull indeed. My mind went
blank and I'm gross.Isn't this my country's history where I
was born?
講談社学術文庫は昔から相当お世話になっています。
この野間省一さんの崇高な理念はすでに結実していると思います。
これからもがんばってください。断然応援しています!!
これは、学術をポケットに入れることをモットーとして生まれた文庫である。学術は小年の心を養い、成年の心を満たす。その学術がポケットにはいる形で万人のものになることは、生涯教育をうたう現代の理想である。
こうした考え方は、学術を巨大な城のように見る世間の常識に反するかも知れない。また、一部の人たちからは、学術の権威をおとすものと非難されるかもしれない。しかし、それはいずれも学術の新しい在り方を解しないものといわざるをえない。
学術は、まず魔術への挑戦から始まった。やがて、いわゆる常識を次々に改めていった。学術の権威は、幾百年、幾千年にわたる、苦しい戦いの成果である。こうしてきずきあげられた城が、一見して近づきがたいものにうつるのは、そのためである。しかし、学術の権威を、その形の上だけで判断してはならない。 その生成のあとをかえりみれば、その根は常に人々の生活の中にあった。学術が大きな力たりうるのはそのためであって、生活をはなれた学術はどこにもない。
開かれた社会といわれる現代にとって、これは全く自明である。生活と学術との間に、もし距離があるとすれば、何をおいてもこれを埋めねばならない。もしこの距離が形の上の迷信からきているとすれば、その迷信をうち破らねばならぬ。
学術文庫は、内外の迷信を打破し、学術のために新しい天地をひらく意図を持って生まれた。文庫という小さい形と、学術と言う壮大な城とが、完全に両立するためには、なおいくらかの時を必要とするであろう。しかし、学術をポケットにした社会が、人間の生活にとってより豊かな社会であることは、たしかである。そうした社会の実現のために、文庫の世界に新しいジャンルを加えることができれば幸いである。
一九七六年六月 野間省一
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