ムラウチドットコム社長・村内伸弘のブログが好き😍

ブログ三昧♪♪ ムラゴン、にほんブログ村、ムラウチドットコム運営の CEO(調子イイおじさん)がブログに恋し、ブログに狂う☆

無料ブログサービス muragon(ムラゴン) ブログランキング にほんブログ村 ECサイト ムラウチドットコム 決意56才

村内 伸弘(むらうち のぶひろ)村内伸弘の彼女

「空海の足跡」五来重 - 永遠に生きて衆生済度する弘法大師

庶民の宗教と民俗を考察した民俗学者・五来重(ごらい しげる)

空海の足跡 - 五来重(角川選書)

空海の足跡 五来重(ごらい しげる)


昨日も書きましたが、今年の僕のテーマは「人間とは何か?」です。「仏教(空海)」を学んでその答えを探します。今回は宗教民俗学の巨人・五来重(ごらい しげる)さんの論考をまとめた「空海の足跡」を読みました。


永遠の生命!即身成仏(人が仏になる)!!
五来さんの民衆や庶民を起点にして見た「空海」は、まさに燦然と輝いていました!論考のまとめのため内容にところどころ重複がありましたが、見事に"歴史上の空海"ではなく、"信仰上の弘法大師"が描かれていました。



五来 重 「熊野詣 三山信仰と文化」再読で "死者の国" 熊野古道行きに備える
五来 重 「日本人の死生観」… 死後の世界、そして人間とは何か?


五来さんの本は歴史の専門用語が多い上に、隙がまったくないので、読むのがかなり疲れるんですが、その疲れの何倍もの知的興奮を与えてくれるんです!この「空海の足跡」も同じでした。



高野(たかの)の山の岩陰に 大師はいまだ在(おわ)しますなる。
弘法大師はいまも生きている!


弘法大師は全智全能であって、しかも祈るところにはいつもあらわれ、四国を歩いていると、いつでもそばをついて歩かれる。同行二人で歩いてくれる。しかも、死なないでいつまでも生きている。宗教的救済者としての弘法大師は、庶民信仰のなかに現に生きている。
弘法大師は霊異の人!入定して、永遠に生きて衆生済度する宗教的弘法大師!!


空海の足跡 - 歴史上の空海を信仰上の弘法大師に結びつける注目の書

なぜ、弘法大師はいまなお宗派をこえて崇敬されるのか。また、どうしてさまざまな奇跡にみちた大師像ができたのか --- その秘密は青年時代に空海がおこなった辺地修行や山林修行にある。空海の足跡を宗教民俗学の立ち場から追跡し、歴史上の空海を信仰上の弘法大師に結びつける注目の書。


空海の足跡 - 空海の原像をさぐる。

空海の原像をさぐる。
ひとは弘法大師の跡を追って四国八十八か所を巡る。では、大師はなにを求めて回ったのか。---


空海の足跡(五来重) - 歴史上の空海と弘法大師の信仰を結ぶ

歴史上の空海と弘法大師の信仰を結ぶ
カバー・表紙・扉絵: 高野大師行状図画(白鶴美術館蔵)


空海の足跡 - 目次

目次より


1 - 高野山の風土
高野山の山岳宗教
高野山の行人と山岳信仰
高野山の密教的風土


2 - 空海の世界
空海の足跡
空海の原像 -山岳宗教と入定信仰-
空海の真言密教と行的世界
垢離と捨身 -空海・密教・修験道-
空海を解く -空海と善通寺・入定をめぐって-


3 - 弘法大師信仰
弘法大師空海と庶民信仰
高野山と弘法大師信仰 -山岳宗教と入定-


空海の足跡 - 弘法大師は日本の聖者信仰の頂点にある。

弘法大師は日本の聖者信仰の頂点にある。
そうすると学問的になぜ、弘法大師にこのような庶民信仰が集まったのか、という疑問にこたえなければならない。実際に空海という人物は信仰されるカリスマであり、全智全能そして偏在であったのか。あるいはそのような宗教的属性はあとで付加されたのか、という問題である。



最後に空海の人間性や民衆や庶民に関する五来さんの話をご覧ください。僕が感銘を受けた記述だけを引用しています。


空海の人間性には外向的な面と内向的な面の二面性があったと考えなければならない。入唐求法や貴族との交流、詩文や書道の文化活動、宗教経典の解題や論著、法要と修法にともなう密教文化の紹介などは外向性のあらわれである。空海はその外向性だけで論評されていたので、宗教的内面性が明らかにされなかった。この内面性は青年時代のひたむきな辺路修行、山岳修行を詳細に分析すればよくわかる。その宗教体験のゆえに、彼は他の宗派の祖師たちとちがった神性が付与されて、全智全能偏在、永遠不滅の信仰的弘法大師になったのである。

民衆のもとめる弘法大師は、あくまでも人生の悩みや苦しみの救済者である。

宗教という精神文化は本来、反文明という思想の上に存在するものなのである。

捨身者の霊は永遠に生きていて衆生を救済すると信じられたので、入定捨身した空海は今も生きているという信仰になった。

この日本がやはり仏教によってこれだけ救われてきているのです。悩める人が皆生きがいを感じながら生きてきたのです。お大師さんがオールマイティーの神さまだと信じて救われてきた。文化人は皆、「いや、そうじゃない、弘法大師は天才的文化人である。偉大なる文化人である」といいますが、民衆はそうではありません。お大師さんが何でも救ってくれると信じている。この素朴な信仰を大事にしないと、民衆のもとめる弘法大師の信仰というのは壊れてしまいます。その民衆の心を大事にするような学問、あるいはその主張がなければいけないと私は思っているもんです。

弘法大師空海は日本の宗教者のなかで最大のカリスマであって、そのためにもっとも広く庶民信仰を集めている。それは空海の教学といわれる著書の、「即身成仏義」や「吽字義」や「声字実相義」、あるいは「秘蔵宝鑰」や「十住心論」とは、まったく別の世界である。庶民はそのような著書の名はおろか、その内容も思想もまったく知らない。しかも日々、何十万、何百万もの日本人がその名を口にし、心の拠りどころとし、「南無大師遍照金剛」を唱えている。宗教とはまことに不思議なものである。

庶民が作り上げた弘法大師は、いまも庶民とともにあり、信ずる者にはこれにこたえる。

私が仏教民俗としての庶民仏教の価値がわかるまでには、長い年月を要した。その間には柳田国男翁との出会いもあるが、戦後過疎化してゆく農村漁村に生活する人々の心に触れる調査をとおして得られたものが多い。学問というもの、宗教というものは、庶民から離れた一段高い所にある格好のいいものではなくて、庶民の生活と精神に根を下した泥くさいものこそ本物であるということを、私はその人々から教えられた。

これらの聖(高野聖)は念仏もすれば真言もとなえ、法華経を読み大般若経を転読し、神祇を崇拝し苦行もするという、宗教宗派にこだわらないおおらかな宗教者であった。私はそれまでお寺参りに拍手を打ち、神社の前で念仏をとなえる人の無知を笑っていたが、このような庶民信仰にふれてからは、思い上がった知ったかぶりを恥じるようになった。



弘法大師はやはり "民衆の求めている救済者"だったんです!いや、素朴で清らかで、おおらかな庶民の精神構造が弘法大師を偉大ならしめたんです!!いつも思います。五来さんの思想は実にすばらしい(^^)


▼平成28年2月 西大寺会陽・空海の旅
香川県立ミュージアム 空海室で「弘法大師」の生涯と事績勉強
瀬戸大橋を快速マリンライナーで渡って岡山へ
「一陽来福」いざ西大寺会陽の舞台・岡山市西大寺へ!
西大寺会陽(はだか祭り)前編 - 平成28年"日本三大奇祭"
西大寺会陽 中編 - 会陽冬花火、六根清浄、裸群のくり込み、垢離取場
西大寺会陽 後編 - 本堂の大床、宝木投入、宝木争奪戦、枝宝木
西大寺 → 岡山 → 瀬戸大橋 → 坂出 → 善通寺
「しっぽくうどん」空海生誕の地の讃岐うどんはウマい!
善通寺: 四国遍路 第75番札所(弘法大師御誕生所)
曼荼羅寺: 四国遍路 第72番札所
出釈迦寺: 四国遍路 第73番札所
丸亀 シャッター商店街、丸亀城、古い家々、骨付鳥
空海修行の地!室戸岬・御厨人窟&神明窟 四国八十八箇所番外札所(霊場)
出釈迦寺 奥の院捨身ヶ嶽禅定(お大師様 捨身の行場)
捨身ヶ嶽禅定 護摩壇で見た 泣き悲しみ懺悔する男の人


▼関連記事(あわせて読みたい)
「空海の風景」を旅する - 日本仏教史上の巨人 弘法大師の絶対平等!
生命の海<空海> 密教!曼荼羅!大日如来!即身成仏!!


世界文化遺産 宗教都市・高野山の奥之院(奥の院)へ

"天下の総菩提所" 世界文化遺産 宗教都市・高野山の奥之院(奥の院)へ


世界文化遺産 高野山・金剛峯寺と壇場伽藍(壇上伽藍)へ
世界文化遺産 高野山・金剛峯寺と壇場伽藍(壇上伽藍)へ


高野山は、いうまでもなく平安初期に空海がひらいた。


山上は、ふしぎなほどに平坦である。


そこに一個の都市でも展開しているかのように、堂塔、伽藍、子院などが棟をそびえさせ、ひさしを深くし、練塀をつらねている。枝道に入ると、中世、別所とよばれて、非僧非俗のひとたちが集団で住んでいた幽邃な場所があり、寺よりもはるかに俗臭がすくない。さらには林間に苔むした中世以来の墓地があり、もっとも奥まった場所である奥ノ院に、僧空海がいまも生けるひととして四時、勤仕されている。


その大道の出発点には、唐代の都城の門もこうであったかと思えるような大門がそびえているのである。


大門のむこうは、天である。山なみがひくくたたなづき、四季四時の虚空がひどく大きい。大門からそのような虚空を眺めていると、この宗教都市がじつは現実のものではなく、空に架けた幻影ではないかとさえ思えてくる。


まことに、高野山は日本国のさまざまな都鄙のなかで、唯一ともいえる異域ではないか。


司馬遼太郎


  • 「日本人の死生観」五来 重 … 死後の世界、そして人間とは何か?
  • 熊野詣 三山信仰と文化(五来 重 著)
  • 五来重 「熊野詣 三山信仰と文化」再読で "死者の国" 熊野古道行きに備える
  • 柳宗悦 晩年の最高傑作「南無阿弥陀仏」を読み、浄土思想=他力道を学ぶ。
  • 栗田勇著 一遍上人愛蔵本: 捨ててこそ生きる 一遍 遊行上人
  • 梅原猛の仏教の授業 法然 親鸞 一遍 "すべての人は必ず救われる!"
  • 梅原「歎異抄」に見る他力本願のすさまじさ
  • 天皇家の“ふるさと”日向をゆく (梅原猛)
  • 「正法眼蔵随聞記講話」に電気ショック
  • 「正法眼蔵随聞記」で僕の読書遍歴も終わる...
  • 「御滅灯(一ッ火)」 遊行寺の歳末別時念仏会を厳修。
  • 六波羅蜜寺・空也上人 かくれ念仏(空也踊躍念仏厳修)に参加
  • たった一言が人の心を傷つける たった一言が人の心を温める & 一隅を照らす
  • 良寛像を断捨離。良寛さんは心の中に、永遠に。
  • 映画「ガンジー(GANDHI)」の感想文
  • 完全教祖マニュアル - 宗教の本質はむしろ反社会性にこそある
  • 東北の神武たち 深沢七郎 - おかね婆あさんは救世観音
  • "人権の森" 国立ハンセン病療養所 「多磨全生園(東京都東村山市)」
  • 国立ハンセン病資料館 - 隔てなく命輝くその日まで
  • 2015渋谷ハロウィン 平成時代の日本人の記録
  • 霊験あらたかな厄除け大師!川崎大師に初詣。ご利益いただき~

  • 歴史ブログの一覧

    【歴史 決定版!】おすすめ歴史ブログ記事一覧 日本史や世界史の情報たくさん有♪♪


    弘法大師(弘法大師ブログ)の一覧

    【弘法大師 空海 決定版!】おすすめ空海ブログ記事一覧 空海の写真たくさん有♪♪


    宗教・思想ブログの一覧

    【宗教・思想 決定版!】おすすめ宗教・思想ブログ記事一覧 仏教やキリスト教の情報たくさん有♪♪ 


    書評ブログの一覧

    【本 決定版!】おすすめ本ブログ記事一覧 読んだ本の書評たくさん有♪♪

    ×

    非ログインユーザーとして返信する