"人権の森" 国立ハンセン病療養所 「多磨全生園(東京都東村山市)」
人権の森、国立ハンセン病療養所「多磨全生園」の感想
"人権の森" 国立ハンセン病療養所 「多磨全生園(東京都東村山市)」
平成27年11月18日(水)、ハンセン病や差別と偏見の学習のため「全生園(ぜんしょうえん)」と「ハンセン病資料館」の今回に行きました。JR西国分寺駅から JR武蔵野線に乗り換え JR新秋津駅に到着しました。
JR新秋津駅に到着
武蔵野線 JR新秋津駅前
JR新秋津駅
JR武蔵野線
JR武蔵野線の列車
JR新秋津駅に西武バス到着
久米川駅北口行き西武バスに乗ります。野行→全生園前→青葉町一丁目→久米川駅北口
車窓
新秋津駅から 10分ぐらいバスに乗って、バス停「全生園前」に着きました。歩いて10分ぐらいのところに「国立ハンセン病資料館」があるそうですが、まずは国立ハンセン病療養所である「多磨全生園」の中を歩いてみます!
横断歩道を渡っているのは「東久留米第7小学校」のみんな。あとでハンセン病資料館でご一緒することになります。
全生園の中、紅葉真っ盛りです
多磨全生園 総合案内図
キレイなさざんかも咲いています
落ち葉も風情があります。
しばらく全生園の中を歩いてみましょう。
全生園の中はみどりが溢れています!とても気持ちがよい空間です!!
可愛らしい赤い実を見つけました。
まさに武蔵野の雑木林です!
多磨全生園 旧少年少女舎
朽ち果てて、落ち葉が積もっている感じがすっごくいい感じです。絵になります。
メタセコイヤ
NPO東村山活き生きまちづくり 人権の森委員会
全生園の史蹟建造物を残そう!「人権の森」構想
国立ハンセン病記念公園
人権の森構想対策委員会
多磨全生園 山吹舎
山吹舎について
「山吹舎」は、昭和3年に入所者自身の作業によって建てられた木造平屋建てで、昭和52年まで男子独身寮として使われていました。十二畳半の部屋が4つあり、多いときには1部屋に8名が入居し30人以上が生活していたことがありました。建築当初は、廊下にはガラス戸がなく雤戸だけだったため、冬には室内で薪を燃やしお湯を沸かして暖をとっていました。使われなくなってから雤漏りがするなど傷みが激しくなっていましたが、平成15年11月に「人権の森」構想事業のひとつとして入所者の方々の努力と多くの人の募金により復元されました。この構想はハンセン病の苦難の歴史を後世に伝えるため、入所者の人々が思いを込めて植えてきた緑とともに、歴史的建造物等を残すものです。修復された山吹舎は南門の近く、望郷の丘のとなりにあります。
(「全生園とハンセン病を知る」東村山市立図書館より)
多磨全生園 高架水槽
全生学園の跡
全生園 旧図書館。おしゃれですね~
全生園 神社通り
入居者(ハンセン病回復者)の方はこんな感じの所で暮らしているようです。
全生園の隠れた史跡
築山(望郷台)
全生病院の敷地は、1922年に南東側の土地を購入して倍の広さになった。その雑木林を、患者たちは汗と泥にまみれ、手足に血を滲(にじ)ませながら、二年足らずのうちに農地に変えた。
このとき掘り起こした木の根を一カ所に集め、さらにその上に、逃亡防止のために掘られた堀の残土を、患者たちは望郷の念に駆られながら積み上げ、1925年に築山を完成させた。
築山に登ると、所沢街道を往(ゆ)きかう人や車、そして富士山や秩父の山並みも見え、患者たちはここから故郷の空を眺めて家族を思い、人知れず涙を流したものであった。
多磨全生園 総合案内図
次に行く「国立ハンセン病資料館」は全生園内のこの辺りにあります。
入園者自治会の建物
貼られていたポスター「私立ハンセン病療養所 待労院の歩み 創立から閉院までの115年」
全生園 中央通り
第1センター「不自由者棟」例えば、この第1センターの現況は下記の通りです。
入居者数 34人
平均年齢 85.6才
居住者 夫婦・独身者
看護師数 7人
看護者数 42人
(2013年7月1日現在)
寝たきり 0/33人
食事介助 2/33人
要おむつ 11/33人
排泄介助 7/33人
移動介助 19/33人
認知症 28/33人
全盲 8/33人
弱視 3/33人
両義足 0/33人
片義足 2/33人
片手指欠損 2/33
両手指欠損 1/33人
(2014年3月1日現在)
さざんか(山茶花)~ さざんかさざんか 咲いた道♪ たき火だたき火だ 落葉たき♪ あたろうか あたろうよ♪ しもやけ おててが もうかゆい~♪
全生園 センター西通り
園内いたるところにこのスピーカーが取付けられていました。
全生園の隠れた史跡
礼拝堂跡礼拝堂は、最初は寺子屋のように学童の教室になったり、供養、葬儀、諸式典、講演、慰問などの様々な行事の場にもなっていた。
1925年には当処に新築され、木造では北多摩随一の建造物と言われた。戦後も公会堂や各宗団の会堂が建つまでは、宗教行事や映画などのほかに患者大会も行われていた。この柘植(つげ)の木は来賓及び職員側玄関前にあったもので、患者の入口は裏手にあり、患者席は来賓や職員席よりも一段低く、間には柵の仕切りがあった。
1982年には老朽化が激しくなったために解体された。
全生園内の隠れた史跡
礼拝堂鬼瓦
日本聖公会 東京教区
聖フランシス・聖エリザベツ礼拝堂
全生園内の隠れた史跡
秩父舎跡
秩父舎は、癩予防協会の寄贈による寮舎で、当時の入居者は療養費の一部を自己負担するたてまえになっていた。二室の雑居部屋と一室の書斎とからなり、北条民雄(1914~1937年)の名作「いのちの初夜」はここの書斎で書かれた。これを脱稿した 1935年末頃から体調を崩し、病苦に耐えて執筆を続けていたが、東側の窓の外に見えたこの楓(かえで)は、いっときの安らぎになったであろう。
なお、北条は、秩父舎をもじって最初の筆名を秩父晃一と名乗っていた。
全生園 旧ハンセン病図書館
旧少年少女舎
カトリック教会
全生園内の隠れた史跡
開所当所の墓地跡
開所(1909年)して二年程の間に亡くなった約80人の患者たちは、このあたりの松の根元に埋葬された。はじめは土葬であったが、しばらくしてからは野天で焼かれた。松の木は、墓標がわりに植えられた小松が成長したものと言われるが、ここに埋葬されていた遺骨はすべて 1930年に発掘されたから、これらの松の木は改めて植え直されたものかもしれない。
現在、納骨堂の入口に立つ「全生者之墓」の墓碑は、1916年に浅草東本願寺から贈られて最初はここにあった。
この松木の木の下に昔、ハンセン病患者の皆さんが眠っていたということです。合掌。
曲がりくねった松の木はハンセン病患者の皆さんの苦難の人生を象徴しているかのようです。
全生園 旧図書館
入園者が年々減っていて空き地もかなり目立っていました。右側はたぶん建物の取り壊しが終った区画です。
こちらも取り壊しがほぼ完了している区画。
電動車椅子が置かれていました。
白いサザンカの花
幸せ絞りのサザンカの花
朝日寮、日の出寮、曙寮、東雲寮、学友寮、桃寮
全生園 中央通りと栄通りの交差点
全生園 あやめ通り
ハンセン病患者やハンセン病回復者の数は今後年々減少していきます。この全生園は数十年後は患者や回復者が一人もいない「人権の森」になることでしょう。東京の中に残ったこの武蔵野の自然環境はまさに私たち日本人の、そして私たち人類の宝物だと思います!
国立ハンセン病資料館 資料館順路
全生園 つつじ通り
全生園に光りあれ~!!
けやきの丘
1985年9月造成 全生園入園者 緑化委員会
「いのちとこころの人権の森宣言」
「いのちとこころの人権の森宣言」
かつてハンセン病は、不治の伝染病とされ、患者は国の強制隔離政策と人々の偏見や差別の中で、長く苦しい歴史を歩んできた。
ここ多磨全生園には、故郷を捨てさせられた人々が眠る納骨堂、終生隔離のなかで故郷を偲んだ望郷の丘、苦難の歴史を語り継ぐハンセン病資料館、これらとともに多くの想いがある。
この地を第二の故郷とした人々は、萎えた手足に力を込め、病をおして拓いた土地に、一人一人が想いを込め、一本一本植樹し緑を育てた。
いま、その緑の地は、そこに暮らす人々と東村山市民との百年の交流をとおし、いのちとこころの人権の学びの場となった。
私たち東村山市民は、こころをひとつにし、ここに眠る人々を鎮魂し、この土地と緑と歴史のすべてを「人権の森」として守り、国民共有の財産として未来に受け継ぐことを宣言する。
平成21年9月28日
東京都東村山市
建立 多磨全生園入所者自治会
協賛 東京都東村山市
平成22年3月吉日
東村山市の決意に心から敬意を表します。ふざけるわけではありませんが、東村山というとどうしても僕らの世代は「志村けん」というイメージが強いのですが、今日からは"東村山=人権の街"という印象の方が強くなりました!
終生隔離・苦難の歴史
人権!
人権とは人間が人間として生まれながらにもっている権利のことです。剥奪されたり、制限されたりしてはいけない基本的人権のことです!
人権の森
全生者之墓(全生園 納骨堂)
さあ、まもなく「ハンセン資料館」に到着します。
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