村内壽一「2000年年頭にあたって」 & 第一家電創業者 永長左京「寸語録」
村内壽一 2000年 新年のあいさつ
皆様にとって 2000年がよき年でありますように。2000年元旦(平成12年元旦)村内壽一
2000年年頭にあたって
あけましておめでとうございます。私たち murauchi.co.jp の 2000年度のキーワードは「情報と環境」としました。
2000年問題も大きなトラブルは無く無事に通過いたしました。
情報(コンピュータ)の世界がどれだけダメージを受けるか心配でした。無事に通過したことで、これから情報化はよりスピードを加速します。
1900年代の小売り業は店舗での販売が主でした。これからの 2000年代も店舗は、その役割をはたすでしょうが、新しく出現してきたオンラインストアの得意とする点、不得意とする点を良く考えて店舗の運営をすることが大切です。私の考えでは、店舗での販売方法は、それは人間の 5感と感性に訴える販売方法でなければなりません。具体的には現在既に当店で実行している実演販売(におい、味わい、聴く、おしゃべりをする等)のように、楽しい、おもしろい、お祭りさわぎがある、活気がある等、オンラインストアの弱い点を強調した店にすることが生き残りに不可欠です。そのような特色のない店舗は急激に衰退します。代わりにインターネットを使ったオンラインストアが台頭します。私たちは実際の店舗とオンラインストアの二つをもちました。2000年はこの二つの店舗を最大限活用して日本でも最先端の murauchi.co.jp にしましょう。
情報(オンラインストア)
私たちは 1999年 1月1日にムラウチ電気から murauchi.co.jp に店名のロゴをかえました。店名を直接オンラインストアのアドレスとしました。www.murauchi.co.jpです。
そして、昨年(1999年)新春の経営理念発表会で情報事業本部長の村内伸弘さんが年内に murauchi.co.jp の新オンラインストアを立ち上げる発表をしました。以来、約 1年間、日立製作所の方々及び当社の関係者の方々の筆舌にあらわせない努力の結果 12月25日午後11時30分に新しいオンラインストアが立ち上がりました。情報システム室にいた皆から大きな拍手が沸き上がりました。感激の一瞬でした。
新しい門出、そして 2000年という記念すべき年を迎えるにあたり私達は、日本一のオンラインストアを開店させ、新しい商売の方法を取り入れました。
ストア(お店)はできましたが、内容はまだまだこれからです。みなさまのアイデアをどんどん取り入れて名実ともに日本一のオンラインストアにしましょう。そして、時代の変化を成長の糧として成長し、murauchi.co.jp で働く人々全員が物心両面で幸せな年となるように皆で知恵をしぼりアイデアをだしてガンバリましょう。
環境
今、私達がなさねばならぬ最も重要なことの一つが地球環境保全です。
私たちの子どもや孫のために、さらに地球上に生存しているあらゆる動植物のために地球環境保全に努めねばなりません。
私たち現代人は文明の発達(電気製品、自動車等の普及)により便利で快適な生活をエンジョイしています。murauchi.co.jp も昭和 28年以来、全力で電気製品の普及に努力してまいりました。生活は便利で快適になりましたが、反面、私たちは、地球環境を破壊してきました。
私たちは、この事をもっと認識して、便利で快適な生活を保ちながら環境破壊をすこしでも少なくするように英知を働かせ一人一人が行動せねばなりません。
【「murauchi.co.jp 宣言」】
人間が一番美しく見える時 そして感動する時 それは目標、夢に向かって全身全霊をぶつけている時です。理想に燃え、結果を恐れず しかし確かな自信をもって進む。時を越え語り継がれるそんな人々の情熱がいつも時代を支えてきました。今また、コンピュータという無限の可能性を秘めた「道具」を得て、人々は新たな理想に向かって踏み出します。
一歩、また一歩、理想を求めてやまない若い魂がここにはあります。私たちムラウチ電気は、コンピュータマルチメディアビジネスに次なる世紀への夢を託して進みます。
「断捨離」をしていたら、父親の「2000年年頭にあたって」というコピー用紙が出てきました。捨てようか、とっておこうか迷っていますがまずは皆さんにご覧頂ければと思います。何らかの参考になれば嬉しく思います。また、僕が 10代の頃修行していた第一家庭電器の創業者の寸語録を昔ホームページに載せていたので転載します。同じく参考にしてもらえればと思います。
永長左京(第一家庭電器 創業者)寸語録
- よいと思ったことが失敗してもよい。先ず経験をつむことがつぎの大きな飛躍となる。
- 同じ失敗は二度と繰り返してはいけない。二度目の失敗は怠慢である。
- 己の利益のみを考えず、社会に少しでもお返しするという、自然の流れにそういき方が、結局は自分の力と富と徳とを増すことになる。
- 私利私欲を捨てた時、人間は必ず社会から報われる。
- 与えられた責任を果たそうとすれば、社会はそれほど不安なものではない。
- 金を借りるコツは必ず返すことだ。返した金はまた必ず借りられる。
- 人間には、その働きに応じた資格が、天から与えられるものだ。
- 世の中は与えられたことを動ずることなく、素直に行うことがよいのではないか。それは感謝のうけとり方ひとつである。
- 視野をひろめ、たえず勉強すれば、困った、つまったということはないものだ。
困った、つまったというときは、自分の勉強がとまったときである。 - 頑固ではならない。素直に人のいうことを聞くことが、自然に人間のワクの大きさをひろげてゆくものだ。
- すべて人間に限らず、宇宙のものは借りと貸しで成り立っている。貸しがあれば借りがある。ひとつの目に見えない貸しが社会にあれば、それは誰にもわからないけれども、あらゆる角度から必ずわれわれに戻ってくる。
- 大衆の資本によって、大衆に正しい商いをし、大衆へ利益を還元する。そして大衆に支えられた商人こそ栄える。(第一家庭電器株式会社 社是)
- 繁栄はお客さまに喜びと満足を与える心から生れる。
- 相手を喜ばして自分が楽しめる。この心が無限大の幸せにつながる。
- えらい人に会うときは前の晩グッスリ寝て、前から準備しておかない。ブツかったときが勝負だからだ。
- 生きるために働くと、金ができると働く意欲を失う。
社会のために働くと、無限に働く意欲がつづくものである。 - 人さまのお金を預った仕事には、生命をかけても責任を感じる。その責任が重いほど仕事が伸びる。
- 信仰は祖先を敬う心である。近い祖先は仏さまで、遠い祖先は神さまである。
- 神さまを敬っていても、神さまに頼ってはいけない。頼る心には限界がある。
- ヤスリ屋をやって学んだことは、鉄は熱いうちに叩けということだ。鍛えるのは若い時ほどよい。
- おいしい食べものとはみんなで食べたときの食べもので、どんなにおいしそうでも、一人で食べるとまずいものだ。
- 商売にはシオ時というのがある。見切りをつけるタイミングを逸してはいけない。ダラダラ未練がましいと元も子もなくなる。
- 前に失敗したことへ必ず挑戦する。これは失敗を成功に導く道である。
- 商売は儲けなければいけない。儲かってこそ社会に奉仕できる。
- 売って頂く有り難さ。買って頂く有り難さ。儲けさせて頂く有り難さ。この心が商売を栄えさせる。
- 借りをつくらず貸づくりに専念すべきだ。無形の貸しをつくる。これが人間の財産である。
- 親切につくしきる心。それが幸せをつかみ得る心である。
- 人間は、自然の豊かな守りの大きさを知ることが大切である。
- 自己中心の考えを捨て、社会の中の私であるという心のあり方が幸せをつかむ。
- 根をはらせるだけ樹は伸びる。会社の根は取引先であり、顧客であり、社員である。
- 先ずお客に満足を与えることが大切だ。つぎにソロバンになるかどうかを考えるのが、商売の上手下手のわかれ目だ。
以下は昭和四十七年十二月、故永長左京が声帯を手術された後、筆談によって残されたものの中から収録したものであります。
- 病気は医者まかせ、命は神まかせ。 私の体は預りもの、私のものは心だけ。
- 病院は楽しく寝るところ、社会は楽しく働くところ。
- 商売は先生に学ぶ、学問も先生に学ぶ、すべて経験者に学ぶ。 人生は学びである。
- 素直な気持ちが売上増につながる。 時流をとらえ、時流にしたがうことが大切である。
- 商売は色々と変るところに味が生まれる。 研究して時流に素直にのることである。
- --- 商売で繁昌する秘訣 ---
相手に満足を与える。
相手を喜ばせる。
自分は相手の満足をみて喜べる人間になる。
信用を大切にする。
「君のやることは間違いない」と、 社会から認められるよう日々努力する。
--- 必ず商売で失敗する秘訣 ---
自分の都合で商売する。
第一に自分の利益を計算して商売する。
利益がなければ商売しない。
お客を困らせる。
自分が困らないよう努力する。 - 買って儲けるのでなく、売って儲けるのが商売である。 買って儲けるのは倍、儲けても倍。 売りにまわれば天井知らずに売れるものです。
- 責任をもってみると毎日が楽しくなり、 責任をもたないと毎日が苦労になるものです。
- 英知を絞り、苦境打破に無限の楽しみを感じたい。
- 不況の時こそ売上を達成する楽しみの時代で、非常に働き甲斐があるものです。
- 不況時にどう耐えるかが、一生のうち一番大事な時ではないか。 熊は半年穴倉で暮している。しかも喰わずに。
- 声が出ない。人さまの顔を立てる。顔を出す。 それだけで生きている。
- 不自由を常と思えば不足なし。おかげで近く退院、 また楽しく働ける。六十六歳。
- 自分の顔を立ててもらいたいなどは、一番くずの人間の考えることです。 責任を相手に転嫁するなどはなおさら。
- 私は将来のことを考えた時、子供ら六人は生活に困らない程度で、 あまり財産をのこすことはよくないと思う。
- 私は神に、「生ある間に上場したい」、声帯をとった時に、 「一部上場まで生かして下さい」と、祈りをこめた。
- 私は夢と希望をもって、働き甲斐、生き甲斐を感じてきたが、 神は祈りどおりにしてくれた。
- 財産は自分で守るだけでは駄目です。 社会から守られて安泰になるものです。
- 財産もほしくない。徳積みのむずかしさ。 仲々頭のいる仕事です。
- これからの人は夢と希望をもつことです。 できるだけ一生かかってもできないほどの夢がほしい。
- 世の中で今くらい真心に欠けている時代はない。 とくに真心に力を入れて、仕事は信用ですることを忘れてはならない。
- 心してみれば、世の中の人は皆教えて頂く、有り難い人達ばかりです。
- 五年やれば 一生の事は出来る
- 急いで死んでも六十七歳 急いで死んでも六十七歳 私の人生学
永長左京追悼集 (昭和51年2月18日 発行・第一家庭電器株式会社) より
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