五来重 「熊野詣 三山信仰と文化」再読で "死者の国" 熊野古道行きに備える
熊野とは?熊野信仰とは?この本は間違いなくその答えを知るための歴史的名著です!
熊野詣 三山信仰と文化 五来重(ごらい しげる) 講談社学術文庫
カバー写真: 熊野の杉木立と参道
仏教民俗学の巨人の大いなる足跡
神道・仏教・修験が融合する謎と幻想の聖なる空間
熊野の謎はまた人の心の謎でもある。この謎は古代から中世の庶民が、われわれにむかってかけた謎である。合理主義に徹した文化人、知識人の心は、合理主義の公式で解ける。しかし非合理的、前論理的な庶民の心は、公式では解けない。熊野の謎はそのような庶民の心の謎である。それは神道理論も、仏教理論も、美学理論もうけつけない。ただわれわれは熊野三山の歴史と遺物を虚心にみつめ、熊野三山の一木一石一径をあじわうよりほかはないのである。(本書「むすび」より)
院政期の上皇が、鎌倉時代の武士が、そして名もなき多くの民衆が、救済を求めて歩いた「死の国」熊野。記紀神話と仏教説話、修験思想の融合が織りなす謎と幻想に満ちた聖なる空間は、日本人の思想とこころの源流にほかならない。仏教民俗学の巨人が熊野三山を踏査し、豊かな自然に育まれた信仰と文化の全貌を活写した歴史的名著を、待望の文庫版に。
熊野古道へ出発する前に、2007年8月に読んだ
熊野詣 三山信仰と文化(五来 重 著)を再読しました。
当時の書評でも書いたように本当にどの章もどの章も
読みごたえ充分でまったくといって無駄な文章がありません。
熊野へ行く人は、この本を読んでから行くべきです。
まさに熊野の信仰や文化に関する「歴史的名著」だと思います!
熊野は謎の国、
熊野は神秘の国、
熊野は山国、
熊野は死者の国、
熊野は隠国(こもりく)、
熊野は幽国(かくれくに)、
熊野は冥界、
熊野は阿弥陀如来、あるいは観音の浄土、
熊野は中世浄土教のメッカ、
伊勢と熊野は表と裏、陰と陽、生と死、神と仏、
熊野は霊場、
熊野は一遍上人熊野成道の地、
熊野は「小栗の判官」の地、
熊野は癩者救済の地、
熊野はヒューマニズムの偉大なる勝利、
熊野で中世人は来世の極楽往生をうたがいなく信ずることができた、
熊野はめぐまれない人たちのなぐさめと救い、
熊野は修験道の地、
熊野は熊野詣で、熊野御幸の地、
熊野は再生の国、
熊野はふるい日本人の民俗信仰が息づく、
熊野は貴賎貧富がひとしく感嘆した風光を持つ、
熊野は西刹の浄土、
熊野は世界文化遺産、
熊野は歴史も信仰も、かくも緊密に仏教と神道と庶民信仰がむすびついたところ、
熊野は観光的未開拓地、
熊野のもつ奥行の深さ、謎の深さ、
熊野の謎は庶民の心の謎、
熊野は神道・仏教・修験が融合する謎と幻想の聖なる空間、
さあ、僕村内伸弘(のぶひろ)は
この五来重さんのこの歴史的名著
「熊野詣 三山信仰と文化」を片手に
熊野古道を歩きます!!
熊野古道・大阪旅行
- 1: 美しき紀の国(木の国)!紀伊半島を空中から眺める。和歌山到着。
- 2: 南紀白浜空港から日本最古の温泉地・湯の峰温泉へ移動
- 3: 赤木越え(湯の峰温泉→赤木越分岐/船玉神社)で "熊野詣で" スタート!
- 4: 中辺路を歩く(船玉神社~"熊野本宮大社の神域の入口" 発心門王子)
- 5: 中辺路ラストスパート(発心門王子~熊野本宮大社)
- 6: 熊野本宮大社!一遍上人「熊野成道」の現場・大斎原、熊野川へ
- 7: 日本最古の湯・和歌山県湯の峰温泉で世界遺産「つぼ湯」に浸かる
- 8: 小栗判官の車塚、きらめく聖なる熊野川、北山川
- 9: 日本最古の神社「花の窟(いわや)神社」と光り輝く熊野灘
- 10: "空青し山青し海青し" 新宮市の熊野速玉大社(新宮)へ
- 11: 神倉神社(神倉山)の鎌倉式石段、ゴトビキ岩、お灯祭り
- 12: 荘厳な大門坂、熊野古道の代表的景観を歩く
- 13: 赤松一刀彫り・木彫り八咫烏と那智大社・青岸渡寺
- 14: "神の滝" 那智の滝は世界遺産!落差日本一!日本三名瀑!
- 15: 補陀洛渡海最大の聖地・補陀洛山寺へ
- 16: 那智~白浜~特急くろしおで大阪・天王寺へ
- 大阪: 天王寺駅前のカプセルホテルに泊まる(アーベイ天王寺ホテル)
- ディープな大阪・西成: ドヤ街潜入!"日本で唯一暴動がおこる街" あいりん地区(釜ヶ崎)へ
- ディープな西成区: 「はよ 死に神来んかいな?」 自由気まま、でも死にたいおじさんとの会話
- 大阪: 四天王寺 - 一遍上人が「賦算(人々に念仏札を配る)」を開始したお寺
(参考)
- 栗田勇著 一遍上人愛蔵本: 捨ててこそ生きる 一遍 遊行上人
- 梅原猛の仏教の授業 法然 親鸞 一遍 "すべての人は必ず救われる!"
- 柳宗悦 晩年の最高傑作「南無阿弥陀仏」を読み、浄土思想=他力道を学ぶ。
- 「中世の非人と遊女」『一遍聖絵』の非人と童形の人々 - 網野善彦
- 「熊野古道を歩く」- 世界遺産・熊野古道 今度こそ中辺路歩いてきます
- 「熊野古道を歩く ~人はなぜ熊野をめざすのか~」
- 熊野詣 三山信仰と文化(五来 重 著)
- 一遍聖絵
- 一遍上人語録(付 播州法語集)
- 日本経済新聞 美の美 「踊るひじり 一遍」が素晴らしかった
- 「日本人の死生観」五来 重 … 死後の世界、そして人間とは何か?
▼平成28年2月 西大寺会陽・空海の旅
- 香川県立ミュージアム 空海室で「弘法大師」の生涯と事績勉強
- 瀬戸大橋を快速マリンライナーで渡って岡山へ
- 「一陽来福」いざ西大寺会陽の舞台・岡山市西大寺へ!
- 西大寺会陽(はだか祭り)前編 - 平成28年"日本三大奇祭"
- 西大寺会陽 中編 - 会陽冬花火、六根清浄、裸群のくり込み、垢離取場
- 西大寺会陽 後編 - 本堂の大床、宝木投入、宝木争奪戦、枝宝木
- 西大寺 → 岡山 → 瀬戸大橋 → 坂出 → 善通寺
- 「しっぽくうどん」空海生誕の地の讃岐うどんはウマい!
- 善通寺: 四国遍路 第75番札所(弘法大師御誕生所)
- 曼荼羅寺: 四国遍路 第72番札所
- 出釈迦寺: 四国遍路 第73番札所
- 丸亀 シャッター商店街、丸亀城、古い家々、骨付鳥
- 空海修行の地!室戸岬・御厨人窟&神明窟 四国八十八箇所番外札所(霊場)
- 出釈迦寺 奥の院捨身ヶ嶽禅定(お大師様 捨身の行場)
- 捨身ヶ嶽禅定 護摩壇で見た 泣き悲しみ懺悔する男の人
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