生命の海<空海> 密教!曼荼羅!大日如来!即身成仏!!

仏教の思想9  生命の海<空海>  宮坂宥勝  梅原猛  角川ソフィア文庫

仏教の思想9  生命の海<空海> 
宮坂宥勝  梅原猛  角川ソフィア文庫



空海はいつも、生とは何か、死とは何かを根源的に問う人であった。ひとり静かにおのれの生きる道を問う人であった。(梅原猛)


「『空海の風景』を旅する(NHK取材班)」、「空海の足跡(五来重)」と空海関連の本を読みましたが、この宮坂宥勝さんと梅原猛さんがそれぞれ40歳代前半にコラボレーションした「生命の海<空海>」はとにかくパワフルに、エネルギッシュに読む者を圧倒して、空海の人と思想を放射しているスゴイ本でした。


本文はほとんどマーカーを引かざるを得ませんでした。密教を語る宮坂さんに脱帽せざるを得ませんでした!空海の人と思想を語る梅原さんに驚嘆せざるを得ませんでした!宮坂さんと梅原さんの対談も圧巻でした!あなたがもし、密教と空海(弘法大師)を知りたいならこの本を読まざるを得ないと思います。というか、ぜひこの本を買って読んでみてください。



仏教の思想9  生命の海<空海>


この本の書評を書くのはムリです。内容が濃密過ぎて文章にできません。一ついえるのは、今までの僕の中の仏教観が完全にひっくり返ったということです。


現世の肯定!
物質、感覚、肉体、官能、欲望、怒りの肯定!
強烈な生命の肯定!
生の肯定の哲学、その名は密教!
生命の思想、その名は密教!
情感の仏教、その名は密教!
煩悩のすみかである人間の肉体にこそ仏は宿る

即身成仏!
生きとし生けるもの、ありとしあらゆるものすべての成仏

われわれは仏と平等である


道元禅師の仏教とも、親鸞聖人の仏教とも、そして一遍上人の仏教とも違うまったく新しい思想のシャワーを僕は浴びました。この余韻は僕の脳をしばらく揺さぶり続けると思います。いやいやシャワーでは表現として生ぬるいかもしれません、まったく新しい思想の弾丸を浴びました!!


一切衆生に注がれる限りない慈悲という絶対の愛
和合、調和、融和
豊かな多様性に富んだ色彩、永遠不滅の光
生の発見!永遠の生命の世界!!


そして極めつきの一言!
人間の生命は宇宙の生命!!!!



とにかくスゴイ本でした。。。



最後に梅原猛さんが「偉大なる矛盾の人」と空海を語るくだりをご覧ください。この"矛盾"は恐らくあなたや僕の"矛盾"でもあると思いますが、空海のそれは凄まじいコントラストを見せています!!


偉大なる矛盾の人・空海

私は空海を偉大なる矛盾の人と見る。偉大なる矛盾の人とは何か。それは相反する二つの性格をもち、その二つの性格の矛盾とその総合の上に大きな活動力を発揮する人である。空海の中には、二つの人間があるように見える。一つは世間的な才能、現実的な才能の持ち主としての空海である。もう一つは、世間をのがれて、ひたすら山の孤独に帰ろうとする空海である。この二つの人格が、一人の空海の中に同居していた。現実的な人間、社会的な人間、都会的な人間としての空海のほかに瞑想的な人間、孤独な人間、田舎の人間としての空海が一人の人格の中に共存していたのである。


空海はまさしく、矛盾する二面をもった人である。そして、この二面の総合の中に、彼の偉大なる人生があった。


社会的な自我と孤独な自我、社会への意思と自然への意思、二つの自我、あるいは二つの意思が、彼の中には共存していた。そしてあるときに前者が、あるときには後者が、彼の人生において支配的になった。この矛盾の総合の中に、彼の大いなる人生があった。


梅原猛




生命の海<空海>  宮坂宥勝  梅原猛

「弘法さん」「お大師さん」として親しまれている弘法大師空海は、わが国を代表する宗教家、思想家である。密教ブームといわれる現代、改めてこの偉大な宗教家の人生と思想を見直し、密教の真価を再認識しなければならない。死の哲学から生の哲学=生の肯定へ---。その五色に輝く真言密教の「生命の思想」「森の思想」「曼荼羅の思想」こそ、宗教のあるべき姿が求められる現代において、もっとも大きな意味をもつものであろう。


生命の海<空海>  角川ソフィア文庫


生命の海<空海> 目次


文庫版 序 梅原猛

はしがき 梅原猛


第一部 秘密の世界 宮坂宥勝

一章 空海の生涯

二章 密教とは

 1. 顕教と密教

 2. 密教を教えるもの

三章 曼荼羅の世界

 1. 大生命の世界を開く

 2. 曼荼羅世界の実現

四章 人間精神の発展

 1. 人間の心のすがたを見つめる

 2. 限りなきもの

五章 自己を完成する

 1. 目ざめたものとなる

 2. 深秘の瞑想

六章 密教のシンボリズム

七章 密教をめぐって

 1. 東密と台密

 2. 密教と浄土教

 3. 仏教の土着化

 4. むすび


第二部 密教の再発見 <対談> 宮坂宥勝 梅原猛


第三部 死の哲学から生の哲学へ 梅原猛

一章 偉大なる矛盾の人生

二章 生命の秘密と知恵の秘密


空海著作一覧

参考文献

日本仏教史年表


解説 正木晃



この本のページすべてがほぼこのようにマーカーだらけの状態なりました。ははは、でも、これじゃあマーカー引く意味が無いですよね(笑)



PS
第三部・一章の梅原さんの「名曲と名曲との交錯 - 最澄との出会い」も空海と最澄という平安仏教、いや日本仏教史に燦然と輝くふたりの巨人を対比された部分も凄まじい磁力を発してました。最澄との比較という意味でもこの本は必見です!!


▼平成28年2月 西大寺会陽・空海の旅
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西大寺会陽 中編 - 会陽冬花火、六根清浄、裸群のくり込み、垢離取場
西大寺会陽 後編 - 本堂の大床、宝木投入、宝木争奪戦、枝宝木
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高野山は、いうまでもなく平安初期に空海がひらいた。


山上は、ふしぎなほどに平坦である。


そこに一個の都市でも展開しているかのように、堂塔、伽藍、子院などが棟をそびえさせ、ひさしを深くし、練塀をつらねている。枝道に入ると、中世、別所とよばれて、非僧非俗のひとたちが集団で住んでいた幽邃な場所があり、寺よりもはるかに俗臭がすくない。さらには林間に苔むした中世以来の墓地があり、もっとも奥まった場所である奥ノ院に、僧空海がいまも生けるひととして四時、勤仕されている。


その大道の出発点には、唐代の都城の門もこうであったかと思えるような大門がそびえているのである。


大門のむこうは、天である。山なみがひくくたたなづき、四季四時の虚空がひどく大きい。大門からそのような虚空を眺めていると、この宗教都市がじつは現実のものではなく、空に架けた幻影ではないかとさえ思えてくる。


まことに、高野山は日本国のさまざまな都鄙のなかで、唯一ともいえる異域ではないか。


司馬遼太郎


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