能の大成者・世阿弥（ぜあみ）の「風姿花伝・三道」現代語訳を読破

2015/09/26 22:39

風姿花伝（ふうしかでん）とは能の大成者・世阿弥の能楽論です

天才・世阿弥が到達した、演能と作能についての著作から、能の心を読み取る。

能の大成者・世阿弥が子のために書いた能楽論を、原文と脚注、現代語訳と評釈で読み解く。実践的な内容のみならず、幽玄の本質に迫る芸術論としての価値が高く、人生論としても秀逸。能作の書『三道』を併載。

文庫本の表紙: 花の小面（こおもて）　三井記念美術館蔵
花の小面は豊臣秀吉が面打ち師・石川龍右衛門に打たせ、愛蔵していたそうです。
ホントこの小面は美しいです。凄まじいほどの美しさです。
この表紙を使うことを決めた段階でこの文庫本の未来は約束されたも同然でしょう。
この花の小面と世阿弥の秘伝が混じり合って、この本は僕の愛読書になりました。

能の大成者、世阿弥の能楽論は、衰えることのない不変の花による、役者としての舞台の成功を求めるための理論といえる。能を演じるための実践的な内容のみならず、美の本質に迫る芸術論としての価値も高く、「まことの花」「時分の花」「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」など有名な文言も多く擁されている。あわせて、幽玄能の構造を解き明かす能作の書『三道』を収録。世阿弥の能楽論を詳しく読み解く1冊。

中に偶然入っていたブックマークのキャッチコピーも秀逸でした。
「自分のことがいちばんわからない」　発見！角川文庫

もう一度、最後に「花の小面」。
純粋で無垢な美しさ！どうしても吸い込まれてしまいます！！

「秘すれば花、秘せねば花なるべからず。」
風姿花伝は室町時代の能（申楽）の大成者・
世阿弥（ぜあみ）が書いた "能の秘伝"です。

一言で言うと、
能を極め尽くせ。
徹底的に稽古し続けろ。
頑固にならず、慢心せず、突き詰めて考えてよく工夫しろ。
自分の能に生命力を吹き込み完璧に演じろ。
ということが書かれているのですが、

「花」とは「面白さ」、「めずらしさ」であり、
舞台の成功、観客の新鮮な感動だけを目指した
世阿弥の秘伝は能や芸能に志す人だけではなく、
勝負の世界であるスポーツやビジネスでも
間違いなく活かせると思いました。

シェイクスピアのセリフのように
「すべてこの世はひとつの舞台、男も女もみな役者。」です。
All the world's a stage, And all the men and women merely players.
老若男女、それぞれが自分自身の人生の舞台で
世阿弥の秘伝を活かすことができるはずです。

時間がなかったので、原文ではなく、竹本幹夫さんの
現代語訳を読んだのですが、これからは
折に触れて、世阿弥の原文を読み込んでいこうと思います。

PS
読んだらすぐ捨てようと思っていたんですが、
捨てるどころじゃないです！
一生読み込み続ける深さがありますよっ

▼English（英文）
If it's hidden, it's the flower. If it's not hidden, it's not the
flower. Hushikaden is the secret book written by Zeami
who is a success of No play in Muromachi era.

In a word, the book say that; to master No play supremely,
to continue to practice completely, to brood and contrive
No play without stubborn and vanity, and to play perfectly
with breathing soul to your No play.

The word "flower" means fun and remarkable in Zeami world.
The secret of Zeami aims to succeed No stages and to
freshly moved the audience. I really think the secret serves
many people who intend to be a player of No or perfoming
arts as well as a player of some sports and a business person.

William Shakespreare says, "All the world's a stage, And
all the men and women merely players." Men and women
of all ages, each person ought to make use of this Zeami's
secret wisdom on their respective stage.

Since I don't have any time, I read not original writing but
modern language translated by Mikio Takemoto. However,
for the future, I occasionally want to read original speech
of Zeami. Post script. Though I thought I will throw away it
after reading it, I now think I never discard it at all! This book's
lesson is quite profoundly for us all.

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